効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■大気汚染が減少するとハリケーンが増える

米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)が発表しているが、米国と欧州の大気汚染粒子が減少すると、大西洋でハリケーンが発生する頻度が多くなるらしい。面白いことに、これが太平洋での台風の発生については、逆に減少するらしい。地球環境の要素がこれまで相互に影響しているということは、環境対応が一筋縄ではいかないことを意味している。

具体的な数字も示されている。ここ20年の状況で見ると、欧州と米国の大気汚染物質排出量が50%減少すると、大西洋でのハリケーンの発生が33%増えるという。これが太平洋地域で見ると、大気汚染が進むと台風の発生が減少するという。これは過去の気象現象に関する大量のデータをコンピュータで処理し、諸現象の間にある相互関係を調査した結果分かったことのようだ。

これまでの考え方では、NoxやSoxといった大気汚染粒子は、太陽光が地表に到達する量を抑制するため、大気温度の上昇が抑制され、化石燃料を使用することによる炭酸ガス地球温暖化効果を少なくするというものだった。そしてそれが大西洋のハリケーン発生を増加させる方向に働いていると考えられていた。今回発表された調査結果で、その関係がさらに明確になったと言うことのようだ。

大西洋地域では、1980年代に大気汚染物質の排出がピークを示していた。それがその後次第に低下したのだが、それによって大気の温暖化を妨げるものが少なくなり、海面温度が上昇し、ハリケーンの発生要因が増えることになったということだ。大気汚染物資の削減が進んだために、90年代中頃からハリケーンの発生が増えたと説明されている。

アジア地域では、大気汚染物質の排出が1980年から2010年の間で50%増加し、最近低下の方向に向かっている。これによって2001年から2020年に太平洋地域のサイクロン発生が、1980~2000年に比べて14%低下している。

要するに、地球の気候関連の現象の要因は大気汚染物質にあるということだ。

 

 

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■EUのグリーン投資基準

EUがプロジェクトへの投資が、地球環境に優しいグリーンなものかどうかの規準を設定しようとしている。その中で、天然ガス原発をグリーンに設定しようとするのに、ドイツが反対している。原発は発電時には炭酸ガスを出さないが、使用済み燃料に高度の放射性物質が残り、その処理にも膨大なエネルギーが必要になるからだ。ドイツはこれまでにも、福島原発の事故の後に脱原発のエネルギー政策を出していただけに、単に発電時に炭酸ガスを出すか出さないかだけでグリーン度を決めるのに反対するのは当然だろう。

天然ガス関連プロジェクトをグリーンだとするのにも大きな問題がある。天然ガスプロジェクトを拡充することによって、脱石炭、脱石油ができるからグリーンだとEUのエネルギー政策は判断しているのだが、天然ガスは石炭、石油に比べれば、使用時に出す炭酸ガスの排出量は少ないとはいえ、地球温暖化ガスである炭酸ガスを排出するのだから、それへの投資をグリーン投資だとするのには、少なからず無理がある。天然ガス開発時には、炭酸ガスより遙かに地球温暖化効果が高いメタンを排出することも、グリーンではないとする論拠となる。

このEU加盟国が打ち出そうとしているグリーン投資基準が最終的にどのような形で定まるか次第では、EUの結束を弱める方向になるのではないだろうか。

 

 

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■住宅・建築物の脱炭素化

自然エネルギー財団が開催したウエビナー「住宅・建築物脱炭素化の最前線」に参加して2時間の勉強をしたが、インターネット回線の不具合がどちらかにあったのだろうが、画像が止まって動かなくなったり、音声が途絶えたりで、内容を把握するのが難しかった。だが、戸建て住宅から高層建築物に至る建物のエネルギー消費を、2050年のネットゼロに向けて削減する具体的な方策とその実施が欧米でも始まったばかりで、日本についても結果を出すには一律の基準の適用では意味がないと感じた。

建物は建てられている地域の気候に対応したものであると同時に、そこに住む、あるいは、使う人の文化的背景が反映したものになる。また、ネットゼロに向けた建物基準を作っても、それを既築の建物に当てはめるには、いろいろな工夫をしてもかなり難しいものとなる。米国でも、方向は同じだが、目標達成のための基準は、各地域によって大きく異なるものとなる。欧州でも、国単位だけでなく、地域単位の規準達成をどのようにするかが大きな課題になっている。また、2050年でも、現在使われている建物の50%以上が残っているから、これへの規準適用をうまくやらないと、ネットゼロの達成は難しい。

日本の場合、建物について、脱炭素化を目標にした建築基準は具体化されていないが、これも、各自治体単位での建築基準を設定しなければ、脱炭素に向けて有効な施策とはならない。また、既築の建物についても、南北に長い日本列島に建てられた、あるいは、これから建てられるもの全てについて、その地域特性、特に気候条件に関わる部分については、基本的建物構造が大きく異なることになり、構造基準のような一律のものでは意味がないものとなる。従って、政府が関与するのは方向性の設定だけであり、その具体的適用は地域単位に行われなければならず、自治体の姿勢によって成果が出るかどうかが決まることになるだろう。既築についても新築についても、脱炭素に同じレベルの効果が出るようにするには、一律の建築基準では効果が出ないだろう。地域特性に則した建築基準の策定が求められるが、それが扱える自治体がどれほどあるだろうか。

 

 

 

 

 

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■物価上昇

ロシアがウクライナに攻め込んだことにより、世界的なエネルギー供給と食糧供給が大幅に減少するようになり、各国の物価が急上昇しつつある。ウクライナが小麦の産地であることから、インドは自国産の小麦の輸出を止めてしまった。インドの国内物価の上昇を少しでも抑制するためだ。ガーディアンが報じているが、今週英国が公式に発表したインフレ率が6%を超えたようだ。1990年代のスランプの時代に戻るとしているが、これよりも日本の方が厳しい経済状況に突入するのではないだろうか。

昔は円安になるのは日本にとって輸出国際価格を引き下げるために好条件だったが、現時点では原材料をほとんど輸入に依存しているために、全ての製品価格が上がり、また、原材料の確保も難しくなっているために、昔のように輸出を押し上げる効果がなくなっている。賃金の上昇も僅かとなり、社会全体が苦境に入り込んでしまったが、この状況がここ当分改善することを期待できないだろう。

英国銀行は、この夏が終わる頃までに、インフレ率は10%を超えると予測している。英国は自前のエネルギーを持っているが、エネルギーの殆ど全てを輸入に依存している日本は、エネルギー価格の上昇をもろに受けて、これまでに経験したことのない不況に陥る可能性が高い。

昨日は、沖縄返還後50年の記念日だったが、それを喜ぶ気分にはなりにくい。

 

 

 

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■稀少資源の再生利用

一度使ったものを捨ててしまうことが多いが、その中に稀少金属などが含まれていて、その回収利用に大きなコストもかからないものもある。その情報が利用者に十分伝達されていなければ、単なるゴミとして捨てられてしまう。市が行っているゴミ収集でも、収集車からのものを分別なしに高温の炉に放り込むのが現実。プラスチックごみや瓶、缶などでは回収利用も行われているようだが、それによってとトータルでのエネルギー(電力、熱)消費が削減される事になる場合が多いようだ。

これとは範疇の違うものだが、不純物を大量に含むアルミニウムのスクラップから、少ないエネルギーで純度の高いアルミニウムに再生できる技術を開発したと、東北大などの研究チームが発表したと報じられている。アルミニウム1キロを精製するのに必要なエネルギーは鉱石から新たに地金を製造するときの半分以下で済み、リサイクルを重ねるたびに品質が低下する問題も回避できるという。

軽くて加工しやすいアルミニウムは、自動車や航空機の部品などとして広く用いられている。リサイクル率は高いが、一般に使われるアルミ製品はシリコンや銅などを含む合金のため、再生を繰り返すたびに他の元素が蓄積して質が低下するらしい。チームによると、これまではアルミニウムのスクラップを溶かして精製するのが常識と考えられてきたが、チームは、固体のままの廃アルミニウムを陽極、純アルミニウムを陰極として電気分解する手法を開発。アルミニウムイオンだけが陰極に移行して、純度の高いアルミニウムを回収することに成功したとのこと。これまでの方法では難しかったシリコンなどの不純物を分離でき、アルミニウムの純度を90・2%から99・9%に高めるアップグレードリサイクルが可能になったという。新技術によって、活用できないアルミニウムが世界中で大量発生するという問題を回避できる可能性が高いというが、電解質には何を使うのだろうか。その物質が特殊なものであれば、普及させるのが難しくなる。

 

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■非化石エネ割合、企業に目標設定義務

企業に非化石エネルギーへの転換を促す改正エネルギー使用合理化法が13日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立したと報じられている。エネルギー使用量の多い1万2000の企業に対し、非化石エネの使用割合の目標設定を義務付ける。2023年4月1日に施行する。目標は達成するために作るものだから、目標を達成できないときにどのようなペナルティー、罰則が課されるかははっきりしていない。

再生可能エネルギーや、燃やしても二酸化炭素(CO2)が出ない水素・アンモニア原子力などが目標の具体的な内容になるようだが、設定される非化石エネルギーの量を合計すると、現状よりかなり大幅な増量になるだろう。それに対応するために、市場での調達が出来るかどうかだが、再エネや水素・アンモニアの消費量を急増させることは難しい。太陽光による電力が余る時間帯の電気代を安く、逼迫すれば高くなる料金プランの用意を電力小売りに求めるという具体策も書かれているが、これは自然現象による発電からの電力調達を目標に組み込むということだ。それが可能だとは思えない。

これはどうも停止している原発の再稼働をさせようとする裏工作ではないか。

 

 

 

 

 

 

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■エネルギーのエンドユース

永年付き合ってきたスコットランドに本拠を置くエネルギー市場調査会社のマーケティング担当と昼前に面談した。彼は日本を中心にアジアで調査レポートを売り込んで来たが、最近日本のエネルギー関連事業者がレポートに関心を高めていると言う。いま新電力がエネルギー価格の上昇で苦境に立たされているが、それへの対応に欧州がこれまでとってきた施策が参考になるという。3月22日に東京電力管内で電力の需給が逼迫して節電要請がされたことも知っていて、この対応についても欧州の系統管理が参考になるという。

これへの対応としては、発送電側の対応だけでは系統の安定化は難しく、どうしても需要側への働きかけを迅速に行う方策をとらなければならないが、欧州に比べて日本の電力業界の需要制御方式が未熟だという。いわゆるデマンドレスポンスの高度化だが、幾つもの国が集まる欧州では、まず国の間の電力融通を計画し、それが十分でなければ、家庭用までを含めた電力需要の抑制をする。日本の電力事業者は、その具体的な対応策を多様化する必要があるとのこと。

彼の所属する調査会社では、最近事業者向けセミナーを日本で始めたが、日本の電力事業者の参加が急上昇しているようだ。そこで課題となるのが言葉の壁。しかし、彼によれば、日本の参加者にも英語での説明をよく理解できる参加者が増えているとのこと。日本の電力市場も日本の枠を超えたエネルギー市場を構築しなくてはならないのだろう。

 

 

 

 

 

 

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