効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道の風力発電、自前で送電線

北海道の人口密度は低い。だから、風力発電太陽光発電の設置は、本土に比べると非常にやりやすい。しかし、課題は人口密度に対応して送電線の容量が小さいし、設置密度も低いために、既存の送電系統に再エネ電源を接続させるのが難しい。 「宝の持ち腐れ」にはさせまいと再生エネ事業者が自ら送電網の整備に動いたという報道記事を読んで、よく北海道電力が受け入れたものだと感じた。風力発電国内大手、ユーラスエナジーホールディングスが、北海道稚内市と中川町などを結ぶ全長78キロメートルの送電線が2023年春、完成させたとのことだ。 ユーラスエナジーHDが中心となり、23~25年にかけて道北で建設された陸上風力発電設備が相次ぎ稼働する。送電線はユーラスエナジーHDやコスモエコパワー(東京・品川)などが道北の9エリアで建設する127基の風車をつなぐ予定だ。すべて稼働すれば総出力は54万キロワットに上り、北海道の21年度時点の風力発電導入量(約60万キロワット)に迫る規模となる。 送電線はこれまで北電ネットワークのような大手電力傘下の送配電会社が建設してきた。それだけに風力発電事業者による再生エネルギー専用の送電網は異例だといえる。いわば切羽詰まってのプロジェクトだが、これから自前の送電線をもつ事業者が増えるかもしれない。 総工費は1050億円。国から4割の補助を受けたようだから、国の介入で北海道電力も反対できなかったのだろう。再生エネ事業者が発電出力に応じて、送電線などの設備使用料を支払う。北海道北部風力送電は「稼働後に20年あれば、維持費を含めて送電線の建設に投じた費用を回収できる」としている。かつて5万人を超えた稚内市の人口は3万人近くまで減り、電力需要は薄れる一方だ。だが再生エネ事業者を送電網の檻(おり)から解き放つことができれば、最北端の街に新産業が芽吹くことになる。 殆ど報道記事の丸写しだが、送配電に新しい風が吹き出したような感じがする。