効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*北海道北部で新しい送電網建設へ

北海道北部風力送電(北海道稚内市)は、北海道北部地域における風力発電の導入拡大を目指し77.8キロメートルの送電網を整備に10月から取りかかっているはずだ。変電所なども新設、世界最大級の蓄電池システムも導入することになっている。総事業費は約1000億円。運転開始は2023年3月を予定。この送電網による風力発電総連系定格容量は約600MW。なお、この事業は資源エネルギー庁による「風力発電のための送電網整備の実証事業」の採択を受けて行うもの。道北地域(稚内市豊富町幌延町、天塩町、中川町など)は、風況がよく風力発電の適地であるものの、電気を運ぶための送電網が弱いため、風資源を有効活用できていないという現状がある。資源エネルギー庁の事業は、こうした課題を有する道北地域において、送電網の整備と技術的課題の実証を行い、今後の風力発電の大量導入に向けた系統制約の解消と安定的な電力供給を目指すものだ。送電事業は、2016年4月以降の新電気事業法において新たに設けられた事業類型で、一般送配電事業者に振替供給を行う事業だが、このような事業形態ができていることをこれまで知らなかった。送電網整備エリアは稚内恵北開閉所~北海道電力設備(中川町)で77.8キロメートル(開源開閉所-北豊富変電所間含む)。送電線仕様は187キロボルト2回線70.2キロメートル(予定)、66キロボルト2回線7.6キロメートル(予定)とされている。そして新たに、稚内恵北開閉所(66キロボルト)、開源開閉所(66キロボルト)、北豊富変電所(187キロボルト/66キロボルト(495メガボルトアンペア)を建設する。北豊富変電所には、世界最大級の蓄電池システム(リチウムイオン電池:出力240MW、蓄電池容量720MWh)を併設する。

このような大規模な送電系統が新規に設置されるのは、非常に珍しいことだと思うが、これでもおそらく北海道の風力賦存量の利用という見地からすると、まだ小さいものなのかも知れない。蓄電池と同時に、水の電気分解による水素製造と、水素発電も今後計画に入ってくるのではないかと思う。