効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■インドで再生可能エネルギー対応に大規模送電線

 2019年5月の時点で、インドの再エネ発電設備容量は80GWだが、これを2022年までに95GW増強して175GWに拡大させようとしている。その第一フェーズとして28GW,第二フェーズとして38.5GWの設置を実現させようとしているが、この二つを合わせた設備からの電力を送る送電系統の強化が必要になっている。だが、再エネ発電プロジェクトの設置に必要な時間は、送電線の増強よりも大幅に短い。そのため、再エネ発電事業者の事業を安定させるために政府が融資などで有利な条件を設定して、発電設備の計画を断念させないように支援するようだ。

 インドには風力発電設備メーカーもあり、普及に力を入れているが、送電線が大きく不足していて、その拡充が大きな課題となっている。この分野への投資を増やそうとしているが、送電線の建設に時間が必要なのは避けられない。再エネ発電が完成したときに、その発電された電力をまず地域で消費するとしても、主要な再エネである風力や太陽光発電は天候に発電量が支配されるために、それを補う設備が必要となる。火力発電所の建設も追いつかないことから、いまインド政府は蓄電設備、それも蓄電池ではなく、重量のあるものを上げ下げする方式で充電・発電させるシステムの事業者からの提案をつのっている。

 さらに、2030年には500GW(5億kW)の再エネ設備を設置するという計画にもなっているため、送電系統容量の不足は極めて深刻な問題となっている。送電系統事業者の意欲を失わせないような施策を打とうとしているが、再エネ設備の建設の足を引っ張る状況にあることは否めない。地域単位の系統を順次つないでいく方式の方がインドのような国には適しているように思えるのだが、どうしても規模を目標にせざるを得ないのが現状のようだ。