効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■発電出力制御

国内でも複数のエリアで実施されている再エネ電源の出力制御。その低減に向け、政府は新設火力の最低出力を引き下げるなどの新たな施策を導入する計画だと報じられている。電力の安定供給を確保するためには、常に需要と供給のバランスを維持する必要がある。このため、春などの低負荷期には、優先給電ルールに基づき、火力電源の停止等や変動性再エネ電源の出力制御が行われている。再エネの出力制御は、2018年10月に初めて九州エリアで行われた後、再エネの導入拡大とともに、2022年4月に東北・中国・四国エリア、5月に北海道エリア、2023年1月に沖縄エリア、2023年4月に中部・北陸エリアにおいて、初めて出力制御が行われた。6月に関西エリアでも出力制御を実施している。季節別に比較すると、需要が減少する春先に出力制御率が高くなる傾向にあり、2022年度の場合、年間制御量約6億kWhのうち、8割以上が3~5月に発生している。

出力制御には、火力発電所の出力を絞り込む、あるいは、天候予測に従って最初から稼働させないようにする。揚水発電の揚水量をフルにしても不十分なことも多くなる。原発と石炭火力は、出力制御が短時間では出来ないため、石油・天然ガス火力(タービンによる発電だから、燃料供給を絞るとすぐに出力は低下する)、そして、新たな制御方式として蓄電池や水素製造(水の電気分解)の比率が高まりつつある。

諸外国と比較して、日本の再エネ出力制御率が高いのではないかとの指摘が一部にある。例えばアイルランドにおいて制御率が4%程度になったのは、変動再エネ比率が20%を超えた時点であり、九州エリアの現在の変動再エネ比率10%余りを大きく上回る。これは、アイルランドでは変動再エネのほぼ全量が風力発電であるのに対して、九州エリアではそのほとんどを太陽光発電が占めることの違いによる。風力発電は、年間で平均すれば24時間の発電出力曲線が平坦であり、設備利用率も高い(30%程度)のに対して、太陽光は昼間に発電が集中し、設備利用率が低い(15%程度)という違いがある。

日本としても、地球環境対応として、太陽光や風力発電は今後も設置を増強せざるを得ない。その設置コストも急速に下がりつつあるから、設置量も増える。そのため、出力制御は避けられないだろうが、できるだけそれを避ける施策を増強する必要がある。

 

 

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