効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素を燃料とするトラック

水素に関するニュースが次々に出されている。今日の記事は、セイノーホールディングス(HD)傘下の西濃運輸が6月から走行実証を始める水素燃料電池(FC)搭載の大型トラックを報道陣に公開した、というもの。東京都―神奈川県の拠点間を月~金曜日に毎日運行し、ドライバーの使い勝手や燃料電池・電動システムの作動状況などを検証するらしい。この燃料電池がどの種類なのかには触れていないが、多分燐酸形燃料電池(PAFC)だろう。というのは、トラックは振動するから、固体酸化物型(SOFC)や溶融炭酸塩型(MCFC)では発電効率は高いものの、激しい揺れには弱いように思うからだ。燐酸形の素子はかなり柔軟に振動を吸収してくれるはずだ。

実証はヤマト運輸など4社がそれぞれ実施。トヨタ自動車日野自動車が共同開発した10トントラックを使う。小型トラックの実証事業はトヨタいすゞ自動車などが参画する「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(CJPT)で始まっているが、大型トラックの実証は国内初という。西濃運輸は東京支店と小田原支店、相模原支店を結ぶ約220キロの輸送や荷物の積み下ろしを通常と同じ運行で試すとのこと。同社はCJPTの実証にも参加しており、2025年までに実証向けとして小型15台、大型9台の計24台のFCトラックを導入する計画だ。

とすれば、この水素がどこで作られるかが一つの疑問。再エネ電力で水を電気分解するのか、当面の対応として、石油化学産業からの水素を使うのかによって、脱炭素の意味合いが異なってくる。

また、このトラックに大量の水素をどのようにして充填するのだろうか。高圧に圧縮するとすれば、水素の単位辺りカロリーは低いから、かなりの高圧タンクにしなければならず、その安全性が問われることになる。水素吸蔵合金に吸収させるとすると、合金の重量が大きくなり、トラックの負担が増えることになるし、合金の寿命はあまり長くはないはずだから、駐車場で取り換える方式になるだろう。

トラックの台数が多い場合、駐車場内に通常の電力で水を電気分解して造る水素方式が当面は実用性が高い。水素の輸送が要らないからだ。その場合、グリーン証書を購入して、水素をグリーンに見せるのも一つの方式かもしれない。

大型のトラックの場合、蓄電池駆動方式は多量の蓄電池が必要となるため、水素燃料電池が最も望ましいとされている。どのような方式で水素を貯蔵するかは課題だが、構造的にやりやすいのは高圧タンクだろうが、いろいろな方式を試して見るのも意味があるように思える。

 

 

 

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