この表題は自分でも奇妙だと感じるが、かなり昔の爆発事故が現代と関係があることを知って驚かされた。ヒンデンブルグ飛行船は、機体を上昇させる浮力を発生させるのに水素を使っていたのだが、これが、1937年5月6日にアメリカ合衆国ニュージャージー州マンチェスター・タウンシップにあるレイクハースト海軍飛行場で発生した、ドイツの硬式飛行船・LZ129 ヒンデンブルク号の爆発・炎上事故の原因となり、乗員・乗客35人と地上の作業員1名、合計36名が死亡し多くの乗客が重傷を負ったという事件だ。
これを機に、水素の危険性が重視され、水素に代えてヘリウムを使うようになったのだったが、このヘリウムには強い地球温暖化効果がある。今では、ゴム風船を飛ばすのにもヘリウムが使われるようになっているが、この風船は地球観測用の飛行体にも使われている。これらは風船と同様に、使い捨てになることが多く、その度に浮揚に使われるヘリウムが大気中に放散される。風船にしろ、観測気球にしろ、一つ一つのヘリウム搭載量は小さいが、世界で放出されるヘリウムの量は膨大なものとなる。
アメリカのSandia National Laboratories(サンディア国立研究所)は、観測気球を北極に飛ばして気象観測をし、さらには、オゾンホールの動きを追ってきたが、ヘリウムの温暖化効果に気が付き、上空観測に使う機器に使用してきたヘリウムを3年前に全て水素に切り替えたということだ。勿論水素爆発が起きないような仕様にしてのことだ。この切り替えで,浮体用のヘリウムガスの輸送コストと大気中への放出が大きく下がったということだ。当然のことだが、水素が観測用機器を収納した機体に漏洩することがないように設計されている。これが週に4回浮上させられている。
ヘリウムは石油精製過程で副産物として出てくるらしいが、これを観測地点に運ぶのではなく、現地で水素を製造することで、輸送の必要がなくなったこともコストダウンに貢献し、船舶や飛行機による輸送中の排ガスを心配する必要もなくなったということだ。
何かのお祭り行事などでは風船を大量に飛ばすことがあるが、その浮揚媒体はいま何が使われているのだろうか。それがヘリウムであるとすれば、規制をかけて水素に変える必要があるのかもしれない。
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