効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■技能実習生制度

これまで日本の技能実習生制度は、途上国の労働力を導入しようとする、極めて得手勝手な制度だと思っていた。その制度がなくなるらしい。外国人労働者のあり方を議論する政府の有識者会議は28日、技能実習制度の廃止を盛り込んだ中間報告書を決定したと報じられている。

この制度は、日本の優れた技術を学ぶ機会を設定して、途上国の若年労働者を短期移民のような形で受け入れるのだが、受け入れる事業者側は、安い労働力の確保として受け止めるだけだった。このような舞台を日本が建前だけは立派なものだが、搾取の温床として長く存在してきたものだと思う。

新興国への技術移転による国際貢献のみを掲げるのをやめ、人材の確保と育成を目的とする新制度をつくるということで、2023年秋にまとめる最終報告で具体的な制度設計を固めるということだが、看板の付け替えだけになるような気がする。

技能実習制度は1993年に始まったものだが、2022年末時点で32万5000人程度を受け入れてきたようだ。中間報告書は技能実習生の労働力としての貢献を認め「制度目的と運用実態の乖離が指摘されている」と記載している。この労働力には、安い賃金で使える労働力という注釈をつけるべきだろう。受け入れ先によっては、家族同様に扱って技能も習得させて送り返した例もあるのだが、そのような事実があることも知られていない。

技能実習を巡っては賃金の不払いや実習生の失踪も問題になってきた。同制度を廃止し「実態に即した制度に抜本的に見直す必要がある」と強調しているようだが、どれほど実態を把握しているかによって、これまでと変わり映えしない制度が、看板だけ変えて登場する可能性が高い。

2019年に人手確保を中核にした特定技能制度があるが、これと同じ内容の制度に移行するとのことだが、結局は、移民にならない労働力の導入をすると宣言するようなものだ。両制度での受け入れ人数の上限は経済団体や労働組合などの意見を踏まえて詰めるとしているが、賃金が上がらない日本の労働市場が、途上国の若者から見て自分の将来に役立つと考えて貰えるような魅力のあるものにできなければ、制度を変えてもじり貧になるに違いない。

 

 

 

 

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form