効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ヘリウム

ヘリウム産出国のカタールアラブ諸国との国交断絶で供給が停滞した余波で、輸送コストが膨らんだとして、岩谷産業や産業ガス大手は、半導体光ファイバーの製造に欠かせないヘリウムガスを値上げするという記事を見た。カタールから日本はLNGも大量に輸入しているが、このような影響はないのだろうかとも思った。世界のヘリウム取扱高は約1億7千万立方メートルで、産出国は米国以外では、カタールアルジェリアポーランド、オーストラリア、ロシアでヘリウムが生産されている。ヘリウムは、あらゆる物質のなかで最も沸点が低く熱伝導性が高く、他の物質と反応しない不活性物質である。ヘリウムは非常に軽いガスなので、ゴム風船を飛ばしたりするなどで身近な存在だが、非常に安定したガスで、半導体の製造に不可欠なものでもあることから、この分野の製造コストへの影響は不可避だろう。超電導の低温を作り出すのにも不可欠で、現在の政治情勢が続くと、リニア新幹線にも関係するかもしれない。天然ガス輸出国であるオーストラリアでも生産しているのだから、これを機に生産設備を増強するかもしれない。ヘリウムは産出国が限られているために、国際政治の影響を受けやすいということを初めて知った。宇宙レベルで言えば、水素に次ぐ量があるらしいし、空気中にも含まれているとのこと。だが、空気中には0.0005%あるというから、これを集めるのは不可能だろう。生産量がもっとも多いアメリカに依存する度合が大きくなるとすれば、日米関係を良好に維持する必要がこの分野でもあることを知った。