効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■フランスの使用済み核燃料処理

使用済み核燃料は強い放射能を持っているため、人間社会、あるいは生物全体と言っても良いかもしれないが、その影響を受けない場所に保管し続けなくてはならない。一般的には、堅固な地層深くに貯蔵設備を建設するのだが、その周辺の人達は当然強く反対する。その貯蔵設備を巡って、今日の毎日新聞がかなり長文の解説記事を書いている。

これまでにこの貯蔵設備の設置場所が決まっているのはフィンランドとスエーデンの2ヶ国だけ。多くの原発が稼働しているアメリカも、その貯蔵場所を決めることがまだ出来ていない。まず言えることは、貯蔵場所となる地層が、長期間地殻変動などによって亀裂が入ったりしないかは、現時点では人智を超えたことになる。これにフランスがいま取り組んでいて、ほぼ場所が決まりそうになっているという。フランス北東部ビュール村がそれで、運営主体が国に建設許可を申請したようだ。これが認められれば、世界で3番目、それも、これまでのものより大規模な物になるはず。

建設場所の要件として重要なのが、地層の安定性。フランス政府は当初3カ所を候補にしていたが、反対運動も強く、この村だけが残っているらしい。決め手となったのは、放射性物質の浸透を妨げる暑さ約120メートルの粘土層の存在。世界で最初に認可されたフィンランドでは、花崗岩の地盤を掘削して保管場所にしている。どちらが保管場所として適しているかは誰にも分からない。地下500メートルに計画される最終処分場は、広さ15平方キロ。この粘土層であれば、放射性物質が漏れ出しても、粘土層に閉じ込められ、地表に達するまでには10万年以上かかると計算されている。その頃には生物社会は存在しないと言うに等しい。結局の所、ここが処分場候補地になったのは、ここへの利益供与が大きかったからだ。後のことは知らない、というに等しいと思う。

あらためて日本で埋設場所があるかの判断が出来るかを考えて見ると、地震が殆どないフランスと異なり、日本列島どこにも地震帯がある。安定した粘土層や花崗岩層があるとは思えない。しかし、原発が稼働する限り、使用済み核燃料は発生し、どこかに長期保存しなければならない。いわゆる識者で構成される委員会を設置して、そのような安定した地層はあると言わせて押しきる方向に向かわざるを得ないが、世論、候補地の住民を納得させることはまず無理だろう。現時点で日本は、使用済み核燃料の再利用に向けた処理をフランスに頼っている。日本の原発が稼働を続ければ、フランスの処分場に使用済み核燃料の保管を頼む以外に方策はないのではなかろうか。原発再稼働や稼動可能年数の延長が言われているが、自国の首を絞める国策だと言える。

 

 

 

 

 

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