効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

核燃施設廃止に1兆円

6月30日に報じられたことだが、日本原子力研究開発機構原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す「東海再処理施設」(茨城県)の廃止に、合計で約1兆円かかると見積もっているらしい。青森県六ヶ所村の処理設備もほとんど稼働できていない中で、核燃料サイクルの実現を悲願のようにしてきた日本が、処理施設を国内に持つことの将来性を見限ったということを示している。現在は原発が稼働すると必然的に発生する使用済み核燃料の再処理はフランスに委託して行っているが、返還される再処理されたプルトニウムやウランが増え続ける現実を前にして、プルサーマルと言われる現在稼動中の原発の燃料にプルトニウムを混合した核燃料を使って消費している。しかし、日本が保有するプルトニウムの量は核爆弾を作れるほどになっており、唯一の原子力爆弾の被害を受けた国としての姿勢を批判される、あるいは核兵器を持つのではないかと疑われるようになっている。報じられた廃止費用の一兆円についていえば、結果として倍増する可能性もあると思っている。解体するにあたっても、中心設備からの放射線はなくならないという、普通の解体工事とは全く異なるリスクも生まれる。福島原発事故処理でもこのリスクは現実化している。この放射性廃棄物の処理方式や場所は、日本だけでなく米国などでも未定である。機構は、最初の10年間で使用済みの核燃料の廃液をガラスで固める作業などに約2170億円がかかるとしていたが、廃止までの全体像は明らかにしてこなかった。今回、設備の解体費など残る費用を足し合わせることで、約1兆円に達したとのことだ。いずれは廃炉になる原発のことを考えると空恐ろしい数字だ。