効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■風力発電の電波障害

風力発電単体の発電規模が大きくなると同時に、設置数を増やそうとする方向に向かっているが、日本では陸上風力の設置が人の住む地域の近くにならざるを得ないために、景観への変化だけでなく、翼の回転時に風を切る音が届くところに人家があるケースが多い。従って、風況の良い所でも、設置できないことが多い。この制約を押しきって設置した場合、鳥がぶつかって死ぬとかは別にして、人の生活に音が影響を与えるのが問題だと思っていた。だから、洋上風力は人の住む地域から距離をとることが可能だから、これから設置基数が増えることを期待していた。

ところが、翼の回転が、テレビ電波などを遮る効果もあると知って、場所によっては洋上風力も設置をし難いケースが予想されることが理解できた。その実例として報じられているのが、日本海に面し、水田や果樹園が広がる秋田県潟上市。人口約3万2000人で、隣接する秋田市ベッドタウンでもある。両市にまたがる海岸沿いには、約10キロにわたって高さ約130メートルの風車が計39基並ぶ。2019年夏ごろ、沿岸部に住む住民から「テレビが映らない」という声が潟上市役所などに相次ぐようになったそうだ。同市内に住む40代の男性は「画面にザーッとノイズが発生して映像が見られない日が続いた」と振り返る。

ビルなど大きな建造物が電波を遮ることで、受信障害が起こることがある。テレビ電波の受信障害が発生したのは、ちょうど風車の建設が始まったころで、その影響が指摘された。

海岸線は南の秋田市側へ大きく湾曲し、テレビ電波の送信所がある大森山(秋田市)とは海を挟んで20キロ以上離れている。受信障害などについて詳しい一般財団法人NHKエンジニアリングシステムは、19年の受信障害について「風車による影響と、潮の満ち引きによる電波干渉が組み合わさって起きた」と分析している。風車と海面の高さの変化によって、電波の周波数と共振している可能性がある。

洋上風力発電には、景観以外に大きな障害はないと思っていたが、電波障害が起こる可能性があるとすると、テレビ電波を放出する鉄塔との距離に加えて、その地域の潮の干満も含めたシミュレーションをして、影響が起きないことを確認しなければならない。スーパーコンピュータでも処理しきれないような計算をしなければ、適不適の判断ができないことになる。遠浅の海岸が少ない日本としては、電波障害の程度まで予測しなければならないとすると、適地となる沿岸地域が少なくなる可能性がある。脱カーボンへの道が突然急峻になったような気がする。

 

 

 

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