昨日だったか関西地域の梅雨が終わったと報じられた。5月29日に梅雨は来ないのではないかと書いたが、ほぼそれに近い気候になっている。高温多雨という言い方があるが、今年は高温少雨。農家は水田の水の確保に困っているに違いない。そして、酷暑が到来したから冷房に消費される電力が急増し、今日も節電の要請が出されている。アフリカで起こっているような砂漠化が日本でも始まるかも知れない。
安全の確保された原発を再稼働させれば酷暑対応はできるという意見も散見するが、原発の再稼働にはかなりの日数を必要とするから、当面の問題対応にはならないし、廃止予定の火力発電を再稼働させるにも、すでに点検をしなくなっているから、稼働までには時間がかかる。発電能力の予備率を上げるのは想像以上に難しい。
アメリカのカリフォルニア州でもかなり前から起きていた問題も表面化している。同州では太陽光発電が普及しているために、夕刻になって太陽が沈み始めると、夕刻の電力需要は逆に増えるから、待機している発電所を急速に立ち上げて需要に対応しなければならない。これには、揚水発電と石油・ガス火力発電が稼働率を上げて対応する。石炭火力にはその柔軟性がない。
西日本より東日本の電力予備率が少ない状況から見て、この酷暑が続けばブラックアウトを避けるために輪番停電をやらざるを得なくなるだろう。一方では熱射病にならないように冷房を適切に使うようにと報じられている。適切な冷房というのはどの程度のものかの具体的な数字では示されていない。老人ホームや病院などでは対応に困っているに違いない。
今後次第に地域単位でマイクログリッドを採用する地域が増えるだろう。だが、それには、地域内に十分な分散型発電設備と、太陽光が少ないときに起きる発電不足に対応する蓄電設備などが必要になる。昨日紹介した停電対応ができるエネファームの導入も対応策になるかも知れないが、ガス供給の設備が整備されていなければ、これも難しい。今年の酷暑による電力需要の急増に対応するには,輪番停電しかないのかもしれない。
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