効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新しい年を迎えた

年越し蕎麦を味わいながらテレビに流れる除夜の鐘を、いつもの二人だけではなくて、オーストラリアのブリスベンから一時帰国している長男と一緒に聞いた。どのような年になるだろうか。昨日ややこしいことを書いたが、電力が分散型の発電設備から供給される比率が意味のある数字になる位普及する年になるのではないかと思う。電力事業としては、電力供給の安定性確保は法律で決められた責任だから、原子力発電所が全部稼動しなくなっても、極力需要に対応して電気を供給する努力を具体的にしなければならない。いま廃止する予定になっていた火力発電所を復帰させる作業も進んでいるようだが、それに追加できる設備を夏までに少しでも追加しなくてはならないから、自前の設備の増強だけでなく、他企業が新規に自家発電、それもコージェネレーションを設置するのを何らかの形で促進するような方策をとるだろう。建設期間が極めて短くて済むからだ。それも、これまでは設置先の電力消費量を上限とする条件をつけるのが殆どだったのを、上回る規模を持つものも積極的に奨励し、余剰電力を自家発の発電コストに見合った価格で買い取るようになるだろう。このほうが、計画停電を実施するよりコスト的にも見合ったものになることは確実だからだ。自家発設置企業にとっても、緊急停電に備えるという保険の考えも定着するはずで、多少安くても売電する方向に向かうかもしれない。
さらには、昨年から急速に設置量が増えている大型蓄電池の設置だけでなく、ハウスメーカーが具体化している太陽電池と蓄電池の組み合わせにも、設置を促進する動きを始めることも考えられる。また、流行になっているリチウムイオン電池だけでなく、関西電力が自社のメガソーラーの出力変動を抑制するためにテスト中のニッケル水素電池が、コスト的に見ればリチウムイオン電池よりも安いので、揚水発電の能力不足分を多少でもカバーできるように、変電所単位に設置する事例が全国的に始まるかもしれない。原子力発電所の一部が稼働開始を認められたとしても、絶対的な発電能力不足は解消できない。発電所が故障で停まることも考慮しなければならないからだ。それぞれ緊急対応ではあるのだが、これが分散型発電を電力業界が認知する方向を明確にするものとなるのが今年ではないかと考えている。