効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■北海道の洋上風力発電新設に大障壁

北海道には陸上にも洋上にも風力発電を大規模に設置することができると思っていたが、どうもそうではなさそうだ。旧電力事業者の系統に接続する条件が厳しすぎるからのようだ。

報道によると、北海道沿岸に大規模な洋上風力発電所を建設する構想が苦戦しているとのこと。経済産業省国土交通省は洋上風力整備の「促進区域」として新たに秋田県沖を選んだが、北海道は促進区域選定につながる「有望区域」への格上げもゼロ。大規模なウインドファーム建設のネックとなる2つの壁が表面化している。

「促進区域」「有望区域」は国の再生可能エネルギー海域利用法に基づく分類で、促進区域に選ばれれば発電事業者が30年間、指定された海域を占有できる。これまで全国で長崎県五島市沖、千葉県銚子市沖、秋田県能代市三種町男鹿市沖、同県由利本荘市沖の4カ所が指定され、9月に新たに同県八峰町能代市沖が選ばれた。

2020年の段階で、北海道では日本海に面した岩宇・南後志沖、檜山沖が、有望区域入りが期待される「準備区域」に指定されていた。21年には準備区域だった山形県などが有望区域に格上げされた一方、北海道は見送られた。

経産省資源エネルギー庁によると、区域の選定や格上げにあたっては各都道府県からの情報提供をもとに、一定の基準を満たしているかどうかを判断している。「北海道の場合、電源系統の確保が大きな問題になっており、漁業者との調整も壁になっている」とのこと。洋上風力で発電した電気は国の固定価格買い取り制度(FIT)を使って電力会社に売るため、電力会社の送電網に接続する必要がある。北海道では既に多くの太陽光や陸上風力発電所が送電網に接続しており、空き容量が足りない。北海道電力子会社の北海道電力ネットワーク(札幌市)によると、札幌近郊を除いた多くの地域で送電線の空き容量が少なく、接続するには容量が余っている時に再エネがその枠を活用できる「ノンファーム型接続」しかないのが現状だ。

地元の漁業者の合意については、新型コロナの関係で会合を持つことが難しいために、合意が遅れてしまっているようだ。北海道と東北で漁業が大きく異なる訳ではないはずだから、いずれこの合意は得られると考えられる。だが、大きなネックは北電の系統容量が絶対的に不足していることだ。新たな系統を設置するコストを全面的に風力発電事業者に負わせるというのも、カーボンニュートラルを目指す日本としては恥ずかしい話だと思う。どの程度接続容量が不足しているかを明らかにし、その拡張コストの負担をどのようにするかの施策が検討される必要がある。知恵を絞れば北電だけに依存しない系統接続を考案することは出来るのではないだろうか。電力広域的運用機関の存在価値はどこにあるのだろうかという感じもする。

 

 

 

 

 

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作り

のご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form