効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■空気中の炭酸ガスを吸収

炭酸ガスを吸収できる素材は幾つもあるが、その量が多いものが偶然の産物として見つかったという報道があった。東京都立大学は空気中のCO2を回収でき、現在使われているCO2捕集物質の最大10倍の吸収効率を達成可能な手法を開発したというもの。実用化して広く普及すれば、2050年には人が排出するCO2の大部分は回収できるようになる可能性があるというから驚き。

工場の排ガス処理では、CO2を吸収する性質があるアミンという物質を主に使っている。特定した物質は、アミンの構造が少しだけ変わっており、広く知られているという。

優れたCO2吸収能力が明らかになったのは、研究室の学生がたまたま別の研究の実験をしていた時だった。物質にCO2を通すと、白い固体ができて沈殿した。

これ自体が珍しい現象だが、CO2の濃度を調べると、通常のアミンの5~10倍の速度でCO2を吸収していたという。「この物質はかねて知られていたものの、吸収能力は調べられていなかったのではないか」(山添教授)ということだ。

CO2は空気中に0.04%程度含まれる。脱炭素社会の実現には、工場などから出る濃度の高いCO2だけでなく、空気中の低い濃度のCO2の回収がカギとなる。

これにはアミンなどの物質で吸着する方法や、イオン交換膜などで分離する方法、CO2をドライアイスにして分離する方法などが想定されてきた。だが、いずれも低い濃度のCO2を効率よく回収できていない。今回特定した新物質はこの課題を解決できるとみられている。通常のアミンがCO2と2対1で結合するのに対し、新物質は1対1で結合する。こうした特性が効率の良さの理由という。さらに新物質を溶かす溶媒の量を工夫するなどして、最大で10倍の効率を達成した。

新物質の500グラムあたりの価格は5000円超で、一般的なアミンの2倍以上の値段となる。ただ従来の10倍という高い吸収能力があり「一定のCO2を吸収する際のコスト比較では勝っている」(山添教授)。新物質の流通が増えて値段が下がれば、さらに有利となる。使用した物質はほぼ100%再利用できるという。いま感心を示している企業と協力して5~10年後に実証プラントを建設し、30年代に実用化をめざす。50年までに広く普及させたいということだ。

偶然を必然に変えたのは、やはり温暖化ガスの減少が常に頭にあったのだろう。偶然から生まれた技術は多いが、これが温暖化防止に貢献できることを願っている。日本初の技術であることも嬉しい。

 

 

 

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