効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■エジプトに太陽光発電ラッシュ

 今日の新聞で知ったことだが、エジプトで太陽光発電の建設が活発になってきた。地場企業に加え、ドイツやノルウェーの企業による発電プラントの整備が相次いでいるらしい。中国企業はこれに参画していないのだろうか。カイロなどで大気汚染が深刻になるなか、化石燃料依存を減らそうと、政府は2016年で総電力の3%にとどまる再生可能エネルギーの割合を30年代には30%超にする目標を掲げている。太陽エネルギーが豊富なエジプトなどでは、かなり早くから太陽光発電プロジェクトが盛んだと思い込んでいたが、送電網がまだ不十分なために、受け入れが難しかったのかも知れない。さらには、昼だけの発電というのも太陽光発電を取り込みにくい要素だったかも知れない。

 ノルウェーのスカテック・ソーラーなどは8月、エジプトの首都カイロから650キロメートルほど南にあるアスワンにある政府の肝煎りの「ベンバン・ソーラー・パーク」で195メガワット(19万5千キロワット)の太陽光発電を始めた。同社は全体で400メガワットの発電を計画しており、残りの約200メガワットは19年末までに稼働させる予定だという。6月にはドイツのib vogt社が同パークで追加となる約166メガワットの太陽光による発電を始めた。同社の太陽光は18年2月に稼働した約64メガワットと合わせて230メガワットほどの発電能力になる。今年2月にはスペインのアクシオナとサウジの投資会社などが進める186メガワットの太陽光発電が完成した。投資額は1億8千万ドル(約195億円)。施工は中国のTBEA特変電工が請け負った。やはり中国は食い込んでいた。

 これだけの発電容量が系統に接続されると、これまでの系統制御に関する経験だけでは不十分に違いない。アスワンダムの近くだとすれば、昼の電力で水をダムに汲み上げる揚水発電所を新たに作る必要があるかもしれない。また、こういう所に、少し前に書いたEnergy Vault社の位置エネルギーを利用した蓄電システムなどが有効に機能するだろう。蓄電池は途上国が大規模に採用するにはまだコストが高すぎる。

 エジプトだけでなく、アフリカ諸国でこれから太陽光発電プロジェクトは急速に拡大するだろうが、これに日本企業がどれだけ参画できるかが気になる。再エネ分野での日本の地位を確保しなければならないはずだが、どうも原発技術輸出にこだわる日本政府の姿勢には大きな疑問を持っている。日本の商社にも努力して貰いたい。

 

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