効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■洋上風力発電の今後

韓国は世界最大規模の洋上風力発電の設置を計画している。グローバルデータを見ると、世界の中でも大きく遅れをとり、同様な状況にある日本よりも風力発電設備容量は少ない。世界が地球温暖化対応に向かう中で、韓国も日本と同様に洋上風力発電に力を入れようとしており、2030年迄に世界第大規模の8.2GWのウインドファームを南西部の海域に建設しようとしている。だが、そのプロジェクトがその海域を利用する漁民の強い反対を受けて、計画通りに進展するかが分からなくなっているようだ。

建設事業者は、風車の建設中に漁業が影響を受けるのは当然だが、完成後は新しい魚礁になる可能性もあり、長期的に見ると漁業者の被害はないとしている。そして、この事業へ漁業者が参加できるようにし、双方にメリットを共有できるようにするとしている。しかし、漁業者にとっては漁業以外からの収入に期待することは拒絶しようとしている。

日本の海上にも大規模なウインドファームを設置する計画が、政府主導で始まっているが、同じ問題が出てくるだろう。その実現を遅れなく進めるためには、漁業に一時的な障害にはなるものの、プロジェクトに参画することで得られる収益が、漁業を一時止めることで起こる損失を上回るような事業システムを設定することが必要だろう。韓国の漁民がどのような対応をするかは、そのまま日本に反映されることは確かだろう。

英国は洋上風力発電で世界をリードしているが、漁業者との関係は、漁業者をパートナーに加えて利益を分け合う方式で順調な設置が行われているようだ。韓国と日本は、地球温暖化対応の中心となるのが洋上風力発電であるだけに、どのような対応差が出るかを注視しなければなるまい。ただ、日本の場合、浮体式で設置する領域が多いという不利な条件があるため、収益性が漁民を納得させるだけのものになるかどうかも重要な要素となる。

 

 

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