効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■大気中のCO2直接回収技術

東邦ガスは1月25日、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)と「ムーンショット型研究開発事業」に係る業務委託契約を締結し、液化天然ガスLNG)の未利用冷熱による大気中のCO2直接回収技術の研究を開始したと発表した。この研究プロジェクトは、内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」における目標4「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」に向けたプロジェクトの1つ。LNG未利用冷熱を活用することで、より効率的に高純度かつ高圧のCO2を回収できる技術開発を目指している。

大気中の炭酸ガス濃度は低いから、この濃度を高くするのには大きなエネルギーを投入しなくてはならず、そのエネルギーから出る炭酸ガスの方が回収するCO2の方が多くなる可能性もある。

この改修方式が段階を追って説明されているが、まず、CO2を含む大気を吸引し、吸収液により大気中のCO2を吸収する。CO2を吸収した吸収液が再生塔へ運ばれ、昇華槽でのLNG冷熱によるCO2の固化(ドライアイス生成)により昇華槽内の圧力が低下する。これに伴い再生塔内の圧力が低下(減圧用ポンプを動かすエネルギーが不要)し、常温でもCO2を含む吸収液からCO2を放出させることができる。それによって吸収液を加熱するエネルギーが不要になると同時に、吸収液を再生(吸収液が吸収塔へ)することができる。昇華槽と再生塔内の圧力差により、CO2が昇華槽へ流れ込むが、その後昇華槽を密閉した後、ドライアイスを常温に復温することで気化させて高圧のCO2を生成する。

極めて巧妙な熱バランスと圧力バランスの組み合わせで、全体の流れを制御するのには大きな困難が存在すると感じる。だが、一つ一つのステップに格別の技術が必要なわけではなく、既存の技術を巧妙に組み合わせるのが難しいのだろう。流体の移動自身が必要なエネルギーを生み出しているために、外部から投入するエネルギー量は少なくなる。これが円滑に作動するようになれば、画期的な脱炭素技術となる可能性がある。制御技術の開発がもっとも難しいのは全体を制御するシステムの開発だろう。成功を願っている。

 

 

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