効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■多孔性配位高分子

多孔性配位高分子というものをこれまで知らなかったが、ノーベル賞候補に挙がる京都大学の北川進・特別教授が1997年に世界で初めて開発した物質で、1mm3中に100京個もの孔(あな)がある、微粒子のスポンジみたいなもの。この応用技術商品の開発を目指しているのが株式会社Atomis。川進教授の門下生が主体となっていて、商品化を海外勢にされる前に行おうとしている。産業への応用は食品、半導体、エネルギー、宇宙開発と幅広く、世界のベンチャー企業23社が実用化を競っているとのこと。Atomisが目指すのは、多孔性配位高分子がさまざまなガス(気体)を大量に吸着・貯蔵する能力があることから、水素、メタン、酸素、窒素などのガス配送システムの効率化だ。

これから水素の大量消費に向けて、貯蔵と輸送をどのような方式で行うかが大きな課題となる。これまでは高圧化、低温液化、メチルシクロヘキサンやアンモニアを媒体にするなどの方式があるが、多孔性配位高分子が将来重要な媒体になるかも知れない。同社が開発したのは、一辺29cmのキューブ型容器「CubiTan」。内部に詰めた多孔性配位高分子には高さ150cmのボンベとほぼ同量のガスが貯蔵でき、重さは10kgと軽い。これに似たものに水素吸着合金があるが、重量が大きくなるのと、劣化が早いために、そのメンテに手間もかかる。この方式は東芝のH2O2という水素貯蔵と燃料電池発電を組み合わせたものに使われている。

Atomis社が開発中のものを水素貯蔵、輸送に使えば、低圧であり、容器の重量が小さいために、大から小までの輸送・貯蔵を手軽に行うことが可能だ。GPSやセンサーを備えてIoT化しており、ガスの在庫管理、漏えい予防など、配送作業全体をデジタル化できるというから、LPGのボンベに代わるものにもなるだろう。将来住宅にもこの容器が設置され、太陽光発電風力発電で製造された水素が宅配される時代が来るかも知れない。寿命がどの位になるかは報じられていないが、高分子物質だから、高圧容器ほどの寿命はないだろうが、繰り返しの使用が10年ほどできるようであれば、多彩な規模の燃料電池の燃料として手軽に使われるようになることが期待できる。この商品化が待たれるところだ。

 

 

 

 

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