効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素燃料の実用化

水素を発電量燃料や鉄の生産に使うということが、頻繁に報じられるようになっている。燃料電池自動車の燃料用にも必要だが、その普及がまだ進まないために、自動車用水素燃料の消費量は急増しているわけではないし、価格も大きく下がっているわけではない。しかし、日本では三菱重工が水素を鉄鋼生産用に使うプロジェクトを始めるなど積極姿勢を示しているのを知って、水素の利用が意外に早く進むかも知れないと思うようになっている。

報道によると、同社が、石炭の代わりに水素を利用して鉄をつくる設備を欧州に建設するということだ。鉄を製造する高炉には、石炭を原料とするコークスを大量に使用するため、CO2の排出量は膨大なものとなる。これを水素に置き換えるとすると、CO2の排出はほぼなくなるから、気候変動対応として大きく貢献できる。三菱重工二酸化炭素の排出を実質ゼロにする製鉄設備としては世界最大級となる実証プラントをオーストリアの鉄鋼大手と開発し、2021年にも稼働を始める。ということは設備の建設はほぼ終わっていると言うことだろう。鉄鉱石を水素で直接還元するDRIと呼ばれる手法を使うプラントで、年間25万トンの鉄鋼を生産する。稼働すれば水素を使った製鉄プラントしては世界最大となる。

さらに同社は、は米電力大手のエンタジー・コーポレーション(ルイジアナ州)と組み、米国で水素の製造や貯蔵、利用に関する共同研究に乗り出す。水素を使って二酸化炭素(CO2)の排出を減らす火力発電システムなどの開発につなげる。傘下の火力発電設備会社である三菱パワーとエンタジー社が、包括的な協業でこのほど合意した。エンタジー社は米国南部のテキサス州など4州で、電力供給や小売りを手がける。米国内で保有する発電設備容量はトップクラスの水準だという。

どのプロジェクトにも大量の水素が必要だから、そのコストがどれだけ下がるかが課題となる。従来の製法と同レベルの価格競争力の実現には、安価な水素が必要だ。経済産業省の試算では現在、水素の流通価格は1N立方メートル(ノルマルリューベ=標準状態での気体の体積)あたり100円程度。日本政府は大量生産などで30年に同30円を目標としている。ただ製鉄での実用化には「10円を切るレベルにする必要がある」(鉄鋼大手幹部)。安い水素を大量に供給する技術が求められる。三菱重工が大きな貢献をすることになれば、日本としても大きな貢献をしたことになるかも知れない。

 

 

-------------

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form