効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■インドのデリーに石炭火力新設

インドの首都デリーが、大停電に襲われないように、首都圏を独立した系統にする(アイランディング)計画があるが、独立系統の中にある発電所の能力が50万kWあるだけで、首都圏全体の消費電力量300万kWとは程遠いものでしかない。2012年7月30日と31日、2日間に亘る広域停電で、デリーの機能が停止してしまったことへの対応で、いろいろな方策が考えられていたが、結局デリー管内に新しい火力発電所を建設するということになったようだ。表題だけを見たときには、この新規発電所再生可能エネルギーからの電力で賄えるようにするのかと思ったが、250万キロワットの差を埋めるのは不可能に近い。

この発電所は石炭火力になるようだ。インドも地球温暖化対応として、炭酸ガスの排出量を抑制しなければならないのだが、いかんせん、天然ガス火力にするだけのガスを確保するのができないために、背に腹は代えられず、石炭を燃料にすることにしたようだ。

電力供給の中断をさせない必要度が最も高いのは、首都圏を走る地下鉄metroと郊外路線、それに通信設備や医療機関だとしているが、それに増して必要なのは、政府機関の中枢部門だろう。最低限必要な規模の石炭火力といっても、かなりの規模になるために、大気汚染を防ぐための設備も敷設しなければならず、所要資金も大きいはずだ。重要機関の停電を防ぐために、それぞれに自家発電と蓄電装置を設置するという考えもあり得るが、それでその機関のオペレーションを何時間維持できるかという問題もある。石炭火力は電力需要の変動に対応しにくい。だから常時発電するベース電源にし、他の石油・ガス火力で需要変動に対応する方式になるようだ。

日本の大都市圏でも同じ問題は起こりうるが、大都市が海岸部に近いところが多いから、域内にある発電所の能力が、首都圏の重要施設の運用を止めないくらいには大きいのかも知れない。とはいえ、東京都の地下鉄の電力系統を維持するのに必要な電力規模は膨大だろう。病院などには自家発電設備があるところも多いが、地下鉄は独自の電源は持っているのだろうか。JR東日本は自前の発電所を持っているはずだが、その容量で全線を走らせることは不可能だろう。

インドの事例は他山の石とも言えるものかもしれない。レジリアントなマイクログリッドを作る計画が日本でも出る可能性はある。

 

 

 

-------------

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form