効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■室温超電導実現

高温超電導とよく言われるが、この高温とは絶対温度での高温であって、これまでの超電導効果が出るのは高くても0℃以下でしかない。ところが、今日日経新聞で報じられたものでは、まだ実用化には遠いものの、これまでは物質を極低温にしなければならなかったが、初めて冷却不要の「室温超電導」が実現したとのこと。だが、代わりに超高圧という条件が必要で、すぐに実用化するのは無理だとは言うものの、どのようにして普通の圧力で超電導にするか、新たな挑戦が始まりそうだ。

ロチェスター大学のグループが10月に英科学誌ネイチャーに発表した論文で示されているとのことだが、地球深部の高圧状態を再現できる実験装置を使い、水素と硫黄、炭素の混合物にレーザーを当てながら加圧した。すると267万気圧で超電導になり、その温度はセ氏約15度だった。零下269度にまで冷やした水銀が超電導になると見つかった1911年以降、数多くの物質が発見されてきた。しかしいずれも冷却が必要。86年に高温で超電導になると話題になった銅を含む酸化物でも現在の最高温度は零下140度。

50年ほど前から理論的に「金属状態になった軽い元素は超電導になる」と予測されていた。ドイツのグループがこれを基に2015年、水素に硫黄を加えた化合物に150万気圧の圧力を加えると、零下70度で超電導になる実験に成功したが、気体の水素も超高圧なら金属のようになることも証明した。ロチェスター大のグループはさらに炭素を加えて圧力も増し、レーザーを照射するなどの工夫を凝らして冷却不要を達成したもようだ。地球の中心部は約364万気圧と考えられており、267万気圧はその4分の3ほど。この条件を再現できる実験施設は世界でも10カ所ほどしかない。ロチェスター大の作った試料の大きさは25~35マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルと極めて小さく、研究はまだ基礎的な段階だ。

しかし、ほとんど冷却不要だから、高圧のレベルが下がるような物質を素材に加えた研究が行われるだろう。超電導になる圧力が技術的に実用化できるレベルにまで下がれば、送電損失がほぼゼロになるのだから、その応用範囲は極めて広くなる。実用化に向けた開発競争が始まってほしいものだ。

 

 

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