効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■蓄電池のリスク

ここで述べる蓄電池は、送配電系統に接続された大規模容量のリチウムイオン電池だが、世界的に風力発電太陽光発電が増加する中で、天候によって出力変動する再エネが系統の安定性を阻害しないように、大型蓄電池が急速に設置量を伸ばしている。この蓄電池にはNAS電池などもあるが、世界的に見ると圧倒的にリチウムイオン電池だ。この電池には故障によって発火することがあることは知られているが、これが人災に繋がるケースが昨年アリゾナで発生し、米国では蓄電池の設置が停滞したと言われている。

その人災とは、発火した電池による火災に対応するために駆けつけた消防士4人が、蓄電池の建屋に放水したことによって爆発が起き、命を落としたのだった。これをきっかけにして、蓄電池の内部構造を改善し、発火しにくくする対応がとられたが、発火源が何かを知らない消防士にとっては、発火の延焼を防ぐ消火活動には絶えず命をかけるリスクがあることが分かり、消防士への教育なども広く行われるようになったという。発火が起きたときに、蓄電装置全体を切り離すのも一つの方策だが、系統が大きく動揺し、大規模停電を起こす可能性もあるから、この方策は実際的には採りにくい。また、切り離しても電池自体は反応を続けているから、解決策にはならないかもしれない。

消防活動との関連で言えば、このような大規模蓄電池だけの問題ではないという感じがする。太陽光発電の普及で、住宅やビルに蓄電池が設置されるケースが増えているが、このようなところで蓄電池が発火する可能性はある。また、別の原因での火災でも、消防士はその建物への電力供給はスイッチを切ってから放水するはずだが、蓄電池は生きたままになっているから、放水がその蓄電池の発火を誘発し、近くに居る人に危害を与える可能性は否定できない。リチウムイオン電を使ったポータブルパソコンなどが発火する事例もあったが、規模の大小を問わず、電気自動車も含めて蓄電池が身の回りに増えていく今、火災時に何が起きる可能性があるかを調べ、その防止策を具体化し、広く防災情報として知らせておく必要があると思う。

 

 

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