効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■白金に代わる燃料電池用の新しい触媒

今日の日経新聞中国版に掲載された記事で知ったが、山口大学の本多謙介教授のグループは燃料電池の触媒に高価な白金を使わない技術を開発した。ここでいう燃料電池は、固体高分子電解質形のもの(PEFC)だ。硬質の炭素材「ダイヤモンドライクカーボン(DLC)」の表面で官能基(有機化合物を特徴づける原子団)を制御し、高い触媒活性と耐久性を実現したと紹介されている。このような難しい技術内容は理解しにくいが、白金と同レベルの触媒効果を発揮する、極めて硬度が高く、しかもありふれた素材を使って、耐久性のあるものを作りだしたということだ。燃料電池でも、高温で作動する溶融塩形と固体酸化物形には白金触媒を必要とはしないが、比較的低温で作動するPEFCはコストを下げやすく、普及が期待されているものだ。

燃料電池PEFC)の白金触媒の必要量を小さくする研究は古くから行われてきたが、今回のように炭素を素材とする全く新しい触媒を作成する研究が日本で行われていたとは知らなかった。これまでの燃料電池PEFC)では酸化還元反応を促進する触媒として白金が使われている。しかし、白金は高価なうえ、資源量に制約があり、広く普及させるためには白金に代わる電極材料が必要とされている。炭素が主成分のDLCはダイヤモンドと黒鉛グラファイト)の中間的な性質を持つ。ダイヤモンド結合とグラファイト結合が混在する非晶質(アモルファス)の構造からアモルファスカーボンとも呼ばれる。硬度や耐摩耗性、電気化学的安定性が高く、金属部品や工具、ペットボトルのコーティング膜などに幅広く使われている。成膜にかかる時間は短く、コストも低い。本来は絶縁体だが、本多教授らは導電性を持たせたDLCの表面に酸素を含む特定の官能基を導入。白金に近い高い触媒活性と、白金や非白金炭素系電極を上回る耐久性を実現したということだ。記事に拠れば、実用化に向けた取り組みはこれからだが、燃料電池の触媒だけでなく、光触媒太陽電池など幅広い分野への応用が期待されるということだ。

これから拡大する水素の利用としては理想的な発電システムだけに、量産技術を早期に確立することを期待している。

 

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