原子力規制委員会は13日、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)について事実上の合格証となる「審査書案」をまとめたと報じられている。新型コロナウイルス一色の中で、さらに憂鬱な方向に社会が向かうことになったということだ。きょう14日から30日間、意見募集を行うとともに、経済産業相、原子力委員会への意見聴取を経て、審査書を確定し、今夏にも正式に再処理事業変更許可を交付する見込みだとのこと。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して精製するのだが、本来リサイクルとして使用するはずだったが、それを最初に試みるはずだった高速増殖炉もんじゅは廃炉になってしまっている。
この工場が実際に稼働し、順調な運転が進むと、これは日本にとってやぶ蛇になりかねない。再処理作業では核兵器にも転用可能とされるプルトニウムが生まれる。米国は日本が持つ余剰プルトニウムの削減を強く求めてきたが、政府は有効な対策を打ち出せずにきたし、これからもプルトニウムを減らすのは至難のことになる。プルトニウムとウランの混合燃料で、現有の原発で消費させようとしても、いま稼働している基数は少ないし、これが今後大きく増加することはなさそうだからだ。原子力白書によると、日本の保有量は18年末時点で約45.7トンある。米国は18年、日米原子力協定を自動延長する条件として余剰分の削減を求め、それを受けてプルトニウムの管理を担う内閣府の原子力委員会は、現在の水準を超えないとした新たな指針を18年7月にまとめているから、大きな矛盾が生じる。
再処理工場がフル稼働すると年間約7トンものプルトニウムが生じる。保有量を削減できなければ、再処理工場は稼働を最小限にするか停止する必要が出る。今想定できることは、正常な稼働ができることを確認した上で、当面停止するしかないだろう。プルトニウムを持つこと自体にトランプ米国大統領がいちゃもんを付けることは十分考えられる。停止すれば日本原燃が立ちゆかなくなるが、大手電力事業が支えなければならないのだろう。
厄介な物を抱え込むことになったと言える。
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