効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■川勝静岡県知事とリニア新幹線

川勝知事は、リニア中央新幹線そのものに反対するわけではないが、静岡県内を通るのに必要なトンネルによって、地下水の構造に変化が起きて、大井川の流量減少を懸念する流域市町の主張を理由に、工事の開始を拒否した姿勢には賛同したい。2027年の開通を目指すJR東海国土交通省から見れば、国の重要プロジェクトのために少しくらい妥協したらどうか、と言いたいところだろうが、複雑な地下構造と地下水路構造を持つ日本列島で、長大なトンネルを掘ること自体が自然破壊であるだけでなく、それによって壊される水路に等しいだけの水が地表に出てくることはないと考えている。流水量が減る可能性が社会に与える影響は大きいが、流水経路がかわることが、これまでの地表構造を変え、農林業にも広範な影響をあたえるはずだ。

国交省は、静岡県に環境への影響が軽微と認められる範囲内での準備工事の再開容認を提案したということだが、何を規準にして“軽微”というのだろうか。結局生きていける範囲なら我慢をするのが日本のためだと言っているに過ぎない。2018年11月8日に、生駒山宝山寺で昔から使っていた湧き水が、第二阪奈道路の建設時に掘られたトンネルのために涸れてしまい、いまでは生駒市の水道局から水を購入していると書いたときにも感じたことだが、参詣人が水で手を浄めることは、伝統に生きるお寺にとっては大問題なのだが、水くらい何だというのが社会の受け止め方だろう。人間は、宇宙の探索はできるが、地下構造の探索はできないと言っても良かろう。技術で解決できるというのがJR東海などの主張だろうが、探索がきちんとできていないものを解決する技術などは存在しない。そして、一度地下構造を壊してしまうと、元には戻せない。

水は生物に不可欠なものだが、ここ数日の水害のように、社会を壊す力も大きい。今回のリニア中央新幹線はいずれ着工されるだろうが、それまでに静岡県内の地下水の構造を徹底的に調査し、ある程度容認できる影響しかないという結論が出るまでは前に進むべきではないと思う。でなければ、解消できない大きな負の遺産を次の世代に残すことになる。

 

 

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