効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*リニア新幹線工事で心配していたことが起きた。
殆ど地下トンネルで建設されるリニア新幹線の計画が具体化したときに、沢山の水脈が分断されて問題になるのではないかと思っていた。以前に三井寺の湧き水がトンネル工事で出なくなったこともあるし、生駒の宝山寺で昔から使っていた湧き水が、第二阪奈道路の建設時に掘られたトンネルのために涸れてしまい、いまでは生駒市の水道局から水を購入しているということもある。これが大規模に起きないかと思っていたのだが、いま、静岡県内で、南アルプスを貫くトンネル内に水が湧き出し、大井川の水量が減ってしまう問題が解決に至らず、建設計画の大幅な遅れが起きそうになっている。
JR東海の試算では、南アルプスにトンネルを掘ると内部に湧き水が生じる結果、大井川の流量は最大で毎秒2トン減る。JR東海と県の対立の発端は、この湧き水をどれだけ川に戻すのかの意見の違いだった。JR東海は当初、湧き水のうち大井川流量の「減量分」を導水路で川に戻す方針を示した。一方、県は湧き水すべてが大井川流域の水資源だとして、湧き水の「全量」を戻すよう要望。この水量差が下流にどのような影響を及ぼすかは報じられていないが、本体着工を急ぐJR東海は今年10月17日、県に全面譲歩する形で、ポンプを使って湧き水全量を川に戻すと回答した。しかし、川勝静岡県知事は、問題は水量だけでなく、水質問題や生態系への影響などがあるとして、その検討も要望している。多分JR東海は底までの検討をしていると建設計画に影響が出ると訴えたのだろうが、県知事は、一企業の目標達成のために安易な妥協はしないとして、着工が遅れに遅れている。
おそらく他の地域でも伏流水への影響は起きるはずだ。奈良県でも山に囲まれた盆地へ流れ込む水は、その流れが一部変わるだけで思いもよらない影響が出ないとも限らない。いまさら言っても始まらないことだが、リニア新幹線は本当に必要だったのだろうか。
----米国の上下院議員選挙が終わったが、両院で党派が食い違うことが、世界情勢に大きな影響を与えるだろう。トランプ大統領のごり押しに日本が押し込まれる事態もなきにしもあらず。