効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■コロナウイルスと米国の原発

 米国の原子力産業がトランプ政権に対して、核燃料取り替え作業をする作業員への新コロナウイルス対応として特別な配慮を望むとする要望書を出したようだ。原発の核燃料は18~24ヶ月毎に入れ替えなければならないが、この作業は春と秋に行われることが多い。その入れ替え作業中、原発は停止されるが、それには2~4週間が必要で、その間は発電が出来ないようになる。その間にメンテナンスも含めた作業が行われ、数百人の作業員が30~60日間かかりきりになる。狭いスペースに何人もの作業員が長時間居ることになるため、ウイルス感染の可能性は極めて高くなる。それを避けようとすれば、燃料入れ替えやメンテ作業そのものを延期しなければ、原発の再稼働は出来ないことになる。

 2020年には21州にある58基の原発の内56基がこの入れ替えの時期に来ており、この作業が既に始められているものもある。少なくとも31基が2月から5月にかけて停止することになっているが、この停止期間が異常に長くなる可能性があり、発電容量が大きく減ったままになる。停止時間は最近短縮されており、2012年には46日であったものが、2019年には32日にまで下がっていた。メンテ作業は核燃料の取り換え時期に合わせて実施されるために、2020年の停止原発の数がたまたま多い年になっていたという事情もあるようだ。3月25日時点で、米国全体で96基ある原発の内13基が既に停止されている。2020年には全体の90%が停止する計画となっているが、燃料の入れ替えができなければ、稼働に入れないことになる。3月25日の時点で、米国にある原発総容量の16.9%が稼働を停止している。作業員の中には海外から特殊な技術を持つ人を加えることも必要で、入国を許可して貰えなければ、入れ替え作業そのものが実施できないことになる。ウイルス感染を防ぐ作業服や検査キット、体温計などが十分準備されなければ、作業員の数も揃わなくなる可能性が高い。

 トランプ政権がこの要請にどのように対応するか、注視しておく必要がありそうだ。

 

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