効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力、ガス事業がカナダでシェールガス開発

中部電力東京ガス大阪ガスは9日、三菱商事がカナダで進めていたシェールガス開発事業に参画すると発表した。同国西海岸のブリティッシュ・コロンビア州にあるコルドバ堆積盆地で既に生産を開始しているもので、三菱商事の現地子会社に参画する各社が7・5%出資する。日本企業の総事業費は49億カナダドル(約4100億円)。液化天然ガス(LNG)として日本に輸入することも検討するが、具体的な計画は未定という。
中部電力浜岡原発にある原子炉を全て停止するのを受け入れたのが9日だから、意図したものではなかったにしろ、これからを暗示するものだ。電力業界は全体としてもこれから天然ガスによる発電量が増えることは確実。さらには、自分で発電をしたいという消費者が増えることから、家庭用や業務用のコージェネレーション設備が急増するにつれて、ガス事業がそれ向けに供給するガスの量も増えるだろう。全てLNGの形で輸入するのだが、カナダでのシェールガス開発に参画したというのは、これから期待される北米からのLNG輸入を支えるプロジェクトになる可能性がある。北米では一時、天然ガスが不足し、LNGで中東などから輸入することも考えていたのが、シェールガスの開発が進展して、いまでは天然ガスが余るほどある状況になっている。これをどのように日本向けに確保するのかは、やはりこのような形で権益の一部を保有するのが近道だ。
天然ガスの導入量を確保するには、ロシアからパイプラインで導入する計画がまた復活することも考えられる。北海道へ陸揚げできれば、東北も含めた新しい産業構造がうまれるかもしれない。ただ、日本が持つロシアへの信頼感が低いし、北方領土問題もあってプロジェクトが円滑に進展しない可能性もある。しかし、すでにサハリンからLNGは輸入されているのだから、それを補強するものとして検討する価値はあるだろう。