効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

炭酸ガスは命のもと

炭酸ガスがなければほとんどの生物の生命は存在しない。葉緑素を持つ植物が炭酸ガスを吸収して炭酸同化作用によって生物の基本となるものを作ってくれるから、動物は生きていけるのだということをあらためて考えている。
オランダでは、火力発電所の排ガスをパイプで温室に導き、炭酸ガス濃度の高いガスで温室栽培植物の収量を大きく上げていると聞く。日本でも小規模な形で成功している事例もあるようだ。ただ、エンジンやタービンの排ガスを温室に利用するには、エンジンやタービンの潤滑油成分が入らないようにするなど、排ガス中の成分の管理をきちんとしなければならない。特に食品素材を栽培する場合には、微量成分が健康被害を起こす可能性もあるために十分な管理が必要となる。
マイクロガスタービンで軸受けに空気を使っているシステムがある。燃料に天然ガスを使った場合、排気ガスの中には潤滑油成分がまったくなく、燃焼にともなって発生するNOXの濃度だけに気をつけていれば良い。日本でも食品の乾燥などに排ガスを直接吹き付けて使っているところもある。
バイオマスを発酵させてメタンを作るケースがこれから増えてくると予想されるが、近くに温室があれば、ボイラー燃料として使った後、あるいはタービンで発電した後出てくる排ガスを冷やしてから吹き込んでやれば、植物にとって炭酸ガス濃度が高い雰囲気は快適で成長を高めることになる。炭素の地産地消となるわけだ。いま各地で検討されているバイオマスタウン計画でこのような検討がなされている事例はないだろうか。