効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水中のセシウムなど、エネルギーを使わず吸着

北海道科学大学は、エネルギーを使わずに水中の化学物質を取り除く特殊な吸着剤を開発したと発表している。医療機器メーカーの常光(東京・文京)と組み、2月から実用化に向けて本格的な共同研究を始める。生活用水の汚染は世界中で社会問題化しており、アジアやアフリカなどインフラの整わない地域でも利用できる技術として4年後の実用化を目指すということだ。

この仕組みが面白い。北科大の三原義広講師が開発したゲル状の吸着剤。外部エネルギーを使わずに水中で浮き沈みを繰り返すが、その仕組みが面白い。吸着剤の中心にある微生物が発酵すると中に空気がたまって浮上。水面で空気が抜け、再び水中に沈む。この吸着材のゲル内部に化学物質を吸着する材料を封入してある。ヒ素なら水酸化鉄、セシウムなら青色顔料「プルシアンブルー」を吸着物質にして、吸着剤の浮沈で汚染物質と結びつける。水面に浮かんだ時に吸着剤を回収すれば水中の汚染物質を除去できる仕組みで、北科大と常光が共同で特許を出願している。実用化にあたっては、飲料水の確保が難しい新興国での展開を想定しているようだ。汚染水処理には通常、大規模な施設が必要で設備の導入費用も数億円単位でかかるが、北科大は吸着剤が水中を浮沈する頻度を多くし、1トン程度の水を飲用水準まで浄化できるレベルを目指す。これに必要な時間は報じられていないが、ある時間の後に浮き上がった吸着材をかき集めれば汚染物質が除去出来るのだから、そこに機械装置を利用したとしてもエネルギーの消費量は少ないだろう。

これで思ったのだが、福島原発事故現場に溜まる汚染水の中にあるトリチウムの除去だ。トリチウムを吸着する物質を見つければ、この方法も除去に使えるかも知れないということだ。トリチウムの除去が難しいために海洋放出などが考えられているのだから、吸着する物質を見つけることは不可能なのだろうか。吸着濃縮されると放射性廃棄物ができることになるが、その量次第で保管の難しさが決まるかも知れない。

 

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