効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■地球温暖化をさせない冷媒

 電気空調機に開発された当初使われていたのはフロンだった。だが、空調機から漏洩したり、解体されるときに大気中へ放散されて行った結果、南極の大気が地球に降り注ぐオゾンを阻止する効果が小さくなり、オゾンホールと称される人間に有害な環境が生まれることが分かり、オゾンに代わる代替フロンが開発された。代替フロンが大量に使われるようになって、今度は、それに炭酸ガス以上の地球温暖化効果があることが分かり、空調機の製造過程や解体時にフロンを大気中に放散させないようにすることが義務づけられたが、家電で大量に製造・廃棄される過程で代替フロンが大気中に放散させる量が増大している。これからも途上国の生活レベルが上がるために、空調機の設置量・廃棄量は急増することから、効果の高い何らかの対応が求められてきた。

 それを解決するものになる可能性がある素材が開発されたということだ。液体と固体の中間の性質を持つ「柔粘性結晶」と言うものがあり、体積が変わると熱を吸ったり放出したりすることが知られていたが、実用的な材料とはいえなかった。だが、日本原子力研究開発機構の川北至信主任研究員らは中国科学院金属研究所のビン・リー氏と共同で、エアコンなどの冷媒としての活用法を見出したと報じられている。代替フロンはオゾン破壊係数が0とされているが、二酸化炭素温室効果を1とすると100倍から1万倍近く温室効果が高い。新発想で生まれた冷媒が2030年ごろには地球を救う救世主の1つとして頭角を現しているかもしれない。

 柔粘性結晶は固体と液体の中間の性質を持つ素材で、結晶を形成する原子は液体中の原子のように自由に向きを変えることができる。この結晶の体積が大きくなると、すきまができて原子が回転しやすくなり、逆に小さくなると回転しにくくなる。研究グループは、柔粘性結晶の一種であるネオペンチルグリコール(NPG)を使い、実際に冷媒に使えるかを調べてみた。NPGの粉末にかける圧力を変えたところ体積が変化し、狙い通り、吸熱や放熱の反応を起こせることが確認できた。NPGは安価に量産されているため材料のコストは低い。冷媒としての用途を開拓するにはNPG以外にも利用したい温度帯などに合わせて材料を見つける必要があるが、圧力をかける装置は小型化も可能というから、エアコンに適用すれば、価格の低下や省電力化も期待できるとみている。将来は環境問題を解決する技術になっているかもしれない。

 

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