アイダホ州に核燃料処理を研究する国立研究所がある。ここには、研究に必要な使用済み核燃料(固体、液体)が保存されているのだが、同州が巨大な処理場になる可能性があることを怖れた州知事が、その持ち込みを1995年に禁止していた。それが一定条件をクリアーすることができれば、搬入を認めるという話し合いがついたことから、この再開となったものだ。
これまでの停止に至った理由は、液状の核燃料も持ち込まれ、容器に入れて地下に保存されていたのだが、これが漏洩することになるとアイダホ州の特産物であるジャガイモの栽培が出来なくなるからだ。アイダホ州は全米のジャガイモの3分の1を供給しているが、その水は地下水を汲み上げたもので賄われているために、地下水が放射能汚染されると農業自体が壊滅してしまうことを怖れたものだったという。
今回再開されることになったのだが、45キログラムの使用済み核燃料を搬入しても良いというもので、その前提条件として、現在地上の容器に保管されている高度放射能の液状のもの350万リットルを処理できるということを証明するということがあるが、それがどこまで可能化には疑問もありそうだ。当初禁止を命じた州知事は民主党の人だったが、今回の協定を結んだ知事は共和党で、アイダホ州自体共和党の勢力が多いとされる。
これから間もなく搬入される45キログラムは、イリノイ州のバイロン原子力発電所からのものになるようだ。エネルギー省は、その持ち込み前に、汚染された作業服や機械部品などの55%をニューメキシコ州にある廃棄物隔離設備に搬出しなければならないという条件もクリアーしなければならない。最終的にどのような決着になるかはまだ確かではなさそうだ。
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