効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

柱上蓄電池

カナダのトロントハイドロ電力が、柱上トランスならぬ柱上蓄電池を地域の配電網の電柱に設置してテストするプロジェクトを始めたとのこと。このような試みは世界で初めてだと同社は述べている。リチウムイオン蓄電池で15キロワット時の容量というからそれほど大きなものではなく、12軒ほどの住宅に配電する規模の50キロワット柱上トランスとペアになっている。少し大きなスーツケースほどの大きさ。電力の需要が少ないときに蓄電しておき、急に需要が増えた時にここから放電させて配電に支障が起きないようにするものだという。どうもこれは電気自動車が普及して充電が家庭で行われるときに、これまで予想されなかった規模の電気が配電線を流れることを想定したものらしい。電気自動車に充電するには、これまでの電気器具とは比較にならない量の電気が短時間で必要となり、このようなことを配電系統は予想していない。だからこのような時にかかる急な負荷増加に備えるために地域の送配電系統を増強する必要があるが、全体の増強に必要なコストが大きくなるのをこの蓄電池を設置することによって配電系統自体を増強する必要度が小さくなるということだ。設置後年数が経つ配電網への負担を少なくするために、コストが比較的安い蓄電池を設置するもので、今後の蓄電池利用が普及する時代に備えたものと言えるだろう。これは今後電気自動車の急速な普及が予想され、同時に電力供給設備が老朽化している米国や中国で採用されるかも知れない。日本も同様だろう。