効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

メガソーラー、東北で足踏み

日経新聞の東北版が、東北で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の普及がもう一歩進まない、欧州企業の進出などユニークな取り組みも目立つが、運転開始にこぎ着けたのは少数だと報じている。日射量が少なく、電力需要が小さい弱点をなかなか乗り越えられない。再生可能エネルギーを「東日本大震災からの復興の起爆剤に」との期待はやや空回りしている、というのはその通りだろう。日射量が少ないのは、多分雲がかかる日が多いからだろうし、東北地方全体の電力需要が少ないために、メガソーラーからの電力が使い切れない、あるいは、取り込むだけの容量を持った送電線が、メガソーラー計画がなされている場所の近くにないからだろう。容量の大きな系統までメガソーラーから送電線を敷設すると、コストがかかってプロジェクトの事業性は失われてしまう。雪が多いために、それに備えた角度のパネル設置も必要で、それだけ発電量も犠牲になる可能性がある。
経済産業省が固定価格導入後の普及状況を調べると、昨年10月末時点で運転開始にこぎ着けた太陽光発電(10キロワット以上)は東北6県の合計で173メガワット。全国9ブロック中7位と振るわないのは、東北電力管内の需要が少ないからだが、工夫して東京電力に送ることができれば良いとはいえ、送電線の増強もしなくてはならず、電力会社は拒否するだろう。太平洋岸の津波被災地にはいまだに更地が残るが、こうした土地では送電線も消失している。いくら発電しても、電力の需要がない以上、東北電も受け止めきれない面がある。これから期待できるのは建物の屋根に設置する小規模の太陽光発電になるのだろうが、津波被害を受けた地域は建物もなくなっているから設置も難しいだろう。ままならぬことばかり、かもしれない。