効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■トヨタ自動車が100kW燃料電池を商品化

 トヨタ自動車(株)は、燃料電池自動車(FCV)MIRAIに搭載されている燃料電池(固体高分子形:PEFC)システムを活用した定置式の燃料電池発電機を開発し、愛知県豊田市の本社工場敷地内に設置して、このほど実証運転を開始した。今回導入したFC発電機は、MIRAIに搭載されているFCスタック、パワーコントロールユニット(PCU)、2次電池などのFCシステムをそれぞれ2セット使用しているとのことだ。以前に燃料電池関連のシンポジウムで質問したが、MIRAIのFCスタックは全部自社開発のものだという回答があった。しかも、蓄電池で出力を補完する必要がないほどの出力特性を持つと言われて驚嘆させられたことを覚えている。

 今回の実証では、この発電機で発電した電力を本社工場内で利用するため、定格出力を100kWとして毎日、24時間連続で運転し、水素使用量当たりの発電量などのエネルギー効率、発電出力の安定性、耐久性、メンテナンス性等の検証・評価を行うことになっている。だが少し不可解なのは、排熱回収を行わないモノジェネで、発電効率は50%を目指すほど高いとしても、総合効率もそれで止まってしまう。英国へこれを伝えた反応では、熱回収をしていなければ、政府の補助金が出ないため、まず売れないだろうということだ。それは日本でも同じではないかと思える。トヨタの工場であれば大きな熱需要があるはずなのに、どういう意図からだろうか。

 燃料となる水素は、FC関連部品の製造工程、評価・試験工程から排出される水素を再利用するということだから、メタンの改質装置も付いていないことになる。2015年に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の一つである「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けて、製造段階でのCO2排出量低減を目的としたもののようだ。排熱回収装置を外付けにすることができる設計になっているのかどうかを知りたいところだ。再エネからの電力で水を電気分解して製造される水素の利用に限定しての商品化を計画しているのかも知れない。横幅×長さ×高さは2.3×4.5×2.5 m。

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