効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■地球より自分の選挙が大事なトランプ大統領

 米国の各州は、連邦政府の定めた法律の沿った州法を設定して実行するが、それに上乗せした内容の州法を作ることは可能になっている。米国の商法、民法が州毎に異なるのと同じように、エネルギー関係の州法は、連邦法に準ずるものの、それに反しない限り異なった規制を作ることが出来る。その代表的な所がカリフォルニア州。環境関連の高度な規制を設定し、大気汚染の防止、地球温暖化の緩和などに貢献してきた。ところが、トランプ大統領は、オバマ大統領が作った環境規制の連邦法を緩和して、これまで対応にコストを掛けていた自動車産業などの負担を下げた。そして、これまで厳しい規制を実施してきたカリフォルニア州に対して、連邦規制以上の規制をすることを禁止する方針を打ち出している。来年の大統領選挙に産業界からの支持を大きくしようとする意図であることは明らかで、従来から地球温暖化を否定してきた姿勢を更に具体化したものだ。

 彼は、米国民は自動車の価格が下がることの恩恵を受け、自動車の販売量も増えるとツイートしているそうだ。これに対しカリフォルニア州はこれに反対する訴訟を連邦裁判所に出す方針で、これに追随する州も多いようだ。米国の運輸部門は、温暖化ガス排出量が国内でもっとも多いのだが、その規制が緩和されることを連邦政府に強制されることは、これまでの合衆国としての伝統を破るものとなるだけに、現政権の強権発動に反対する市民運動も拡大するだろう。