効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■原発で水素製造

 米国の大手電量会社、FirstEnergy Solutions (FES), Xcel Energy, and Arizona Public Service (APS)の三社は、それぞれの管理する原子力発電設備を使って水素を大量に作るプロジェクトに着手するらしい。実証は2020年に始まり1年間で実施する計画になっている。このプロジェクトは米国エネルギー省(DOE)が、価格が安くなった天然ガスと再エネのコストが安くなったことから、原発に新しい役割を持たせようとしているプログラムの一つだそうだ。長期的に原発産業を維持するために新しい機能を開発しようとしているのだ。(DOE)から政府資金が投入されている。関係者の言によれば、原子力の新しい利用分野を開拓し、収益性のある事業を探索しているのだそうだ。ということは、これまでの発電事業は他の方式に比べてコストが高く付くようになったと言うことだ。この実証に使われる原発軽水炉方式のもののようだ。

 これからの水素社会の到来を見越して、発電だけでなく、温暖化ガスを排出しないノンカーボン電力で水素を作り、化石燃料を使わない化学産業の育成と燃料電池ガスタービン発電に使用しようとするものだ。実証で製造される水素は、まず公共交通機関の燃料、すなわち燃料電池電車の燃料として使う計画になっている。これらの原子力発電設備は、これまで廃炉にする予定となっていたのを、新規用途開発に利用するために、いわば延命されたものだと言える。確かにCO2は排出しないが、使用済み核燃料の量は増え、その処理も考えておかなければならない。現時点ではこのプロジェクトで作られる水素のコストが、どれほどになるかは分からないが、もし水電解で水素を作るとすれば、再エネ電力で作る方がコストは安い可能性が高い。

 日本も同じようなプロジェクトを始めるかも知れないが、反原発の活動が米国よりはるかに強い日本では、水素を作る過程でCO2を排出しないと言うことで原発反対の人達を納得させることは難しいだろう。

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