効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素の輸送

再生可能エネルギーからの電力で水を電気分解して造られる水素は、その過程で炭酸ガスを排出する工程がなく、また水素を燃料に使えば、酸素と結合した水(水蒸気)が精製されるだけだから、合い言葉のようだが、グリーン水素と言われる。水の電気分解設備から製造される水素は、高圧圧縮する、あるいは、超低温で液化する、水素を吸収する素材に蓄積させるなどの方策がとられるが、その工程で何らかの形で電力、熱エネルギーを利用する必要があるために、その電力・熱の生成過程から炭酸ガスが排出されれば、折角のグリーン水素がブルー化することになる。既存の流通経路で輸送すると、輸送手段から炭酸ガスが排出されるだ可能性が高いため、再エネで作られる水素は、その現場で貯蔵し、タービンなり、燃料電池を使って発電するのが当然となる。

しかし、日本の場合、まだグリーン水素を大量に作れるだけの再エネシステムが構築されていない。人口密度が高いことも大規模な再エネ設備の建設に反対の意見が強い。洋上風力発電も、漁業との併存策が必要となることから、計画の推進には時間がかかる。従って、長期的に炭酸ガスの排出を削減していくのに、他の国に劣ることのないようにするには、水素を海外から輸入せざるを得ないのが現状だ。そこで問題なのが、どのような方式で水素を洋上輸送するかということになる。船舶で輸送するとなると、液状なり、固体にする方が、大量輸送に適している。それに適しているのが、MCH(メチル・チクロ・ヘキサン)。MCHは、トルエンに水素を付加させて作る液体であり、水素ガスと比べると体積当たり500倍以上の水素を含んでいるため、効率よく水素を運ぶことができる。この製造過程に必要な電力を、再エネの豊富な海外で利用すれば、グリーン水素を入手できる。

日本の宿命かも知れないが、グリーン水素を輸入するということは、エネルギー源を海外からの輸入に依存する体質から脱することが出来ないということだ。その体質を少しでも軽減するために、海岸線の長い日本列島で、洋上風力発電、あるいは、黒潮の流れを利用した潮流発電などを、コスト競争力のある形で導入拡大する必要がある。それを支える水素の大量輸入をどれほど効率的に行うかが課題となるが、MCH以外にも密度の高い液状なり固体の水素化合物の開発が必要になるだろう。

 

 

 

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