効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■もんじゅからの燃料取り出し

 廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅから、使用済み核燃料の取り出し作業を17日に開始することになったようだ。当初、開始は7月を予定していたが、機器の相次ぐ不具合などで延期されていたもの。文部科学省が発表したと言うことが少し奇異な感じがしたが、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構文科省の管轄だから当然のことだろう。13日に同省の担当官が県と敦賀市を訪れて説明したようだが、設備点検が順調に進み、10月にずれ込むと見られていた原子炉からの燃料取り出しを前倒しすることになったという。2022年12月までに530体(取り出し済みのもの含む)を取り出し、47年度までに廃炉作業を終える予定。今年から見て28年かかることになるが、廃炉に伴って出る放射性廃棄物が最終的にどこに保管され処理されるかについては触れられていない。

 他に幾つも進行中の廃炉があるが、廃炉そのものが新しく解決すべき課題を生み出すことになる。最終処分で埋めるところもまだ決まったいないが、日本列島に放射性廃棄物を長期に埋めて処分することがさらに新しい問題を起こす可能性もある。何度もここで書いているが、地下構造を明確に示す指標を作ることは不可能に近い。地上で保管管理するとしても、長期にわたって管理すること自体に大きなリスクがある。米国でもまだ場所が定まっていないのだから、世界的な管理体制を構築する必要があるかもしれない。これには原発を持つ国全てが参画し、長期的管理組織だけでも具体化しなければ、人間社会の継続が難しくなるだろう。原子力エネルギーの平和利用として始まった原発だが、平和な社会自体がまだ生まれていないのだから、リスクはますます大きくなる。どう対応すべきだろうか。