効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■鉄道総研が燃料電池駆動の列車のモデルを発表

 これまでにも何回か鉄道総研の開発している燃料電池駆動の列車について述べてきたが、いよいよ実用化のモデルが出来上がったようだ。日経が報じているが、開発中の燃料電池ハイブリッド試験電車「R291」について、客室内に搭載していた主要機器を床下に移設したと発表し「鉄道総研技術フォーラム2019」(8月29~30日開催)で公開した。これまでは、燃料電池周りの設備を客室に設置していたが、燃料電池モジュールの高出力密度化などにより機器を小型化し、空いた客室内スペースには通常の電車同様、ロングシートの座席を設けた。燃料電池モジュールは出力を180キロワットへと1.5倍に向上する一方、高さ寸法を抑え、床下搭載に適した形状にしている。

 体積は少し増えたが、出力当たりの体積は20%減らした。燃料電池用電力変換装置は炭化ケイ素(SiC)素子や小型遮断器を採用し、体積を45%減少。従来客室内で大きなスペースを占めていたこれらの装置を床下に搭載できたほか、バッテリーやラジエーターも移設している。電車としての性能は向上させ、編成出力は従来の460キロワットから690キロワットへ増強。起動加速度は、従来がディーゼルカー並みの1.5キロメートル毎時毎秒だったが、改装後は通常の電車並みの2.5キロメートル毎時毎秒になる。R291は、動力モーターを備える「クモヤR290-1」と動力がない「クヤR291-1」の2両編成。燃料電池(200~350ボルト)で生成した電力を昇圧回路を経てバッテリー(500~700ボルト)に充電し、モーターへはバッテリーからの電力をさらに1500ボルトに昇圧して供給する仕組み。2019年中に鉄道総研の所内で走行試験を開始する予定だという。

 発表された資料は、https://www.rtri.or.jp/press/is5f1i000000c1ab-att/20190828_001.pdf

で入手できる。

 これがいつ頃から通常路線を走るのだろうか。水素の供給設備が新設されなくてはならないから、どこか車庫が近くにある路線になるだろうし、現在の無電化路線が最初に選択されるかも知れない。水素は当面は化石燃料から製造されたものが使われるだろうが、いずれは、再生可能エネルギーからの電力で水電解した水素が使われるという想定になる。その実用に至る行程も知りたいところだ。

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