効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■植林1兆本

 チューリッヒにあるスイス国立研究所から出た研究レポートによると、現時点でもっとも有効に温暖化ガスであるCO2を減らせるのは、植林を拡充することのようだ。その植林の数は1兆本。それに必要なスペース900万平方キロだが、その広さは十分にあるとしている。ほぼ米国の広さと同じ。植林された若木は7,500億トンのCO2を吸収するが、それは、人類がここ25年間に排出したCO2の量に相当するらしい。植林に適している地域は、ロシア、米国、カナダ、オーストラリア、中国だという。

 問題は、この数の植林がすぐには着手できないということで、現在も植林プロジェクトは幾つも進行しているが、大幅に不足しているのが現実だという。さらに、温暖化がこれ以上悪化しないうちに植林を進めなければ、植林できる地域が狭められてしまう怖れもある。ある平均温度を超えると、若木が育たなくなるからだそうだ。現在地球上にある樹木の数は3兆本だから、それに1兆本加えるのは容易ではないだろう。勿論伐採される樹木もあるから、それに代わる植林も有効になる。

 このレポートを読んで日頃から感じていることが頭に浮かんだ。いま木質バイオマスを燃料とする発電所が次々に建設されているが、これに相当する数の植林が行われているとは思えないため、大気中にバイオマス燃料から放出されるCO2の量の方が、植林された若木が吸収するCO2よりも遙かに多いのではないかということだ。木質バイオマスを石炭火力に混焼させるなど逆効果を生み出しているのだと感じている。木質バイオマスカーボンニュートラルだとするのは大きな誤魔化しではないだろうか。

 世界で植林計画が多くの国の参加を得て進展できなければ、温暖化の緩和はできないし、温暖化が進むと植林ができなくなる事態になるということを世界の人々が理解する必要があるだろう。

 

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