効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオマス利用への問題提起

今日のThe Japan Newsに、ロイター通信社が二人の論者(多分英国の人)のバイオマスによる発電は石炭火力発電よりもCO2の排出量が高いのではないかという内容の記事を紹介している。確かに樹木などを素材とした燃料で発電すれば、そこからCO2がかなりの程度で排出されるのだが、これまでの理屈では、発電に利用されたバイオスの相当する量の樹木が植林されるから、それがCO2を吸収するから相殺されるとして、カーボンニュートラルだと想定されてきた。日本も森林が多いことから、これが吸収するCO2が温暖化ガス排出削減量の有力な源となっている。だが、この論では、新しく植えられた樹木などが十分な量のCO2を吸収するようになるのには時間がかかり、また、地球温暖化防止のためとして、大量の森林破壊が行われているとしている。また、EUが発電に利用するバイオマスペレットの多くが米国から輸入されたもので、米国の森林伐採が加速されていると言われる。これを巡ってEU委員会は新しい規制を設定し、バイオマスバイオ燃料の利用に上限を設定しようとしているらしい。ただ新しい規制が導入されるとしても、審議に要する時間を考えると2年以上先になるという。この論者は、これでは地球温暖化が進んでしまうとする。世界で森林からの燃料利用と、植林がCO2排出とどのように関係するかの量的な検討がされなければならないだろう。日本では間伐材が放置されているが、これが分解されるとCO2を排出されるから、これを燃料に使っても同じことになる。森林バイオマスの利用について見直しが行われると、日本への影響は異なった形になるだろう。