効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の木質ペレット自給率

樹木などを燃やしても、灯油を燃やしたと同様に地球温暖化ガスであるCO2は排ガスとして出てくる。だが、樹木はその生長の時にCO2を吸収したものであるから、一定期間を通算すればCO2の排出量はゼロと見なせるから、カーボンニュートラルなエネルギーとして取り扱われている。これは、京都議定書策定の時に、輸入エネルギー依存度が極めて高い日本が、森林国であることを足がかりに、この利用によってCO2排出量の増加を抑えることができるとして認められたものだ。だが、森林の利用がいろいろな理由で進まない日本では、バイオマスの利用が進むことによってバイオマスの輸入依存が高まりつつある。最近出された農林水産省のデータでは、2016年における木質ペレットの輸入量は、前年比49%増の34.7万トン。主にカナダ、ベトナムからの輸入が増加している。これらにより木質ペレット自給率は、前年比8.3ポイント減の25.7%へ下落したことになるそうだ。2012年度の自給率は57%を超えていた。木質ペレットは、バイオマスの中でも、樹木などの木質系の原料を加工して粒状にして使いやすくしたもので、削って乾燥させたものは、木質チップと呼ばれ、その量の方が圧倒的に多い。
その木質チップの場合、エネルギーとして利用された木材チップのうち間伐材・林地残材等に由来するものの量を都道府県別に出した図表を見ると、2016年では、北海道の430(千m3)を筆頭に、鹿児島が408,宮崎が388と続き、森林地帯の一つとされる奈良は100、和歌山はゼロに近い。奈良も2015年迄は和歌山と同じ状況だったのが少し増えたのは行政の努力もあるだろう。木質ペレットで見ると、岡山がダントツで、奈良、和歌山はゼロに近い。
木質バイオマスの利用の増強を推進しなくてはなるまい。