効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

振動発電

何回かここで書いたことがあるが、振動を利用して発電するということができる。そして、橋の振動で発電を蓄電して、外部からの電気を使わずに橋の歪み方を測定するセンサーを駆動したりするなどという形で実用化されているものもある。エネルギーハーベストの一種だ。しかし、その発電量は非常に小さく、一般的な蓄電池に溜めて使うなどという規模にはなっていなかった。ところが、米Georgia Institute of Technology(Georgia工科大)は、振動発電で従来の1000倍以上の発電を実現する技術を開発したと報じられている。研究を主管するWang教授は、「タービンに代わる新しい発電技術を開発した。近い将来に世界を変えると信じている」と自信を持っている。モノを摩擦させて発生する静電気と、微小なインダクターを組み合わせてTENGと名付けられた素子を開発している。振動のエネルギーを電力に変換する変換効率は約60%と極めて高い値を得ていて、1cm角のサイコロ状の素子で、携帯電話機の通話時に必要な電力に匹敵する電力を供給できることができるそうだ。Wang氏らは、既に各種のTENGを試作し、靴の中敷きやフロアマット、リュックサック、波力発電に向けた海洋ブイなどに組み込んで発電性能を調査しており、現在は携帯電話機の充電器の製品化を進めているという。同教授によれば、「この技術は微小発電に限らず、大電力の発電にも貢献できる。実現までにそれほど時間はかからない。5年もあればできるだろう」とのこと。本当?と言いたくなるような技術開発だ。