効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■再生可能エネルギー電力容量の伸び

太陽光発電風力発電の設置量は毎年伸びるのが当然で天井はないと思っていたが、その当然視が間違っていたことを教えられた。IEAがこのほど発表した統計を開設する海外情報で知ったのだが、昨年2018年の再エネ電力設置容量の伸びが、一昨年に届かなかったようだ。昨年の再エネ発電設置容量は、水力も地熱発電も全て含めたもので180HWだったが、これは一昨年2017年と同じであり、2001年以来初めて横這いになったのだ。IEAが警鐘を鳴らしているのだが、地球温暖化防止に向けた長期目標の達成度から見ると、純増量は目標の60%にしかならないようだ。パリ協定の目標を達成するためには、2030年まで毎年300GWの増加が必要だとしている。昨年のエネルギー起源のCO2排出量は1.7%増の33Gトンとなり、これまでの経過の中でも最大級の増加になっている。再エネ発電量は7%増だったが、発電全体で見ると非常に大きくなっているのだという。

この想定外の増加は、国の政策が変更されたことに起因している部分が多いようだ。2015年以降、伸びが少なくなっていた風力と水力発電太陽光発電が補ってきたが、201年の太陽光電源の設置量が、予想されていた100GWを下回る98GWだった。その主たる原因は、中国が太陽光発電に向けたインセンティブを引き下げ、接続条件も変更したことにある。中国の2017年の太陽宇高発電設置量が53GWだったものが、2018年には44GWに落ち込んでいる。その減少を抑制したのは、EU、メキシコ、中東諸国、アフリカでの伸びだった。中国の太陽光の伸びは小さかったが、それに代わって風力発電が増加している。増加する電力需要に対応した送電系統の増強が貢献した形だ。EUでは太陽は伸びたが風力の伸びが減少し、全体としては減少となっている。インドの陸上風力と日本の太陽光が、過渡的な政策変更のために設置量が減少している。

エネルギー政策の変化が再エネ容量の増加のレベルに大きな影響を与えている。日本のエネルギー政策の今後を考えるにも参考とすべきことだろう。