効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■白熱電球を延命するトランプ政権

エジソンの時代から使われている白熱電球は、消費する電力の90%は熱となり、照明としての明るさ用途には10%しか使われない。これが電力消費の抑制には大きな支障となるとして、効率の高い照明、特にLEDなどを推奨する法制度がある。元々は2007年代に、照明の高効率化を促進する法基準が議論され、ジョージ・ブッシュ大統領が高効率照明を促進する法律が制定した。その法律では、照明用として主流であった西洋梨の形をした白熱電球の効率を高く設定されたが、これがLEDなど高効率の電球の市場を拡大し、価格も急速に下がってきた。それによって電力消費が抑制される効果も広く認められてきた。

だが、この形状の白熱電球は、家庭用照明市場の半分しか占めておらず、他の形状のものにはこの基準は適用されなかった。残りの半分は効率という見地からすれば野放しになっていたことになる。これを問題視した連邦議会が、この基準を全ての形状の電球にも適用することを検討し、12年前にこの新基準が設定されたのだが、各種白熱電球の市場の調査に時間がかかり、この新基準が今年の1月に発効することになっていた。LEDの新商品が店頭に並ぼうとしていたのだが、トランプ政権は、この新基準の適用は認められないとして、古い基準に戻すようエネルギー省に指示したということだ。オバマ政権時代に生まれた法制度や基準を否定しようとするトランプ大統領の動きだと言われている。地球環境保護の見地からこの後退を阻止しようとする動きが活発化しているが、その結果がどうなるかはまだ分かっていない。