効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

小池東京都知事のスマートシティープロジェクト

東京都の小池百合子知事が、環境先進都市を目指す「スマートシティ」を政策の一つの柱にしている。その具体的な施策の一つが、発光ダイオード(LED)照明の導入促進で、予算案に90億円を盛り込んだ。「スマートエネルギー都市の実現」に177億円を計上しているが、その大半を宛てていることになる。都民の環境意識を高めるため、家庭にある白熱灯を2つ持ち込むとLED電球1つに無料で交換する事業を始めるということだ。この方式は米国で長い歴史を持つ。20年ほど前から幾つもの州で、大手電力事業に強制力を持つ公益事業委員会が、電気料金の高騰を抑えるとの目的で、電力消費を抑制する計画の策定を義務づけてきた。電力事業から見れば売上げが落ちることになるが、発電所の増設や送電系統の強化に向けた投資を遅らすことができるために、利益に結びつくという理屈だ。その具体策が白熱電球を蛍光電球に取り換えるというものだったが、無料の場合ばかりではなく、安く売るというケースもあった。同じように効率の高い電気冷蔵庫に買い換えるときには値引き補助を電力会社が行ったこともあった。ユニークなケースでは、パソコンの交直変換器を効率の高いものに取り換えるのを実施したところもある。小池知事の施策との違いは、税金を振り向けていないということだ。そして、確実に成果が出なければ、州政府からペナルティーがかけられるから、実現性のない計画策定では意味がなかったのだ。小池知事の施策がどれほどの効果を出すか、様子を眺めることにする。