効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■燃料電池駆動の船舶

船舶からの排気についての規制が強化されるが、その対応策の一つとしてLNGを燃料にする方式が一部で実用化されている。今年の2月に大阪ガス商船三井保有するタグボートLNGを供給する設備の運用を開始したことは、この発表の頃に書いたとおりだ。これは港の中だけで走る船だから、一つの供給設備で可能なのだが、外洋船にLNGを利用しようとすると、寄港地にLNGの供給設備がなくては立ち往生する。問題は、この燃料も、現在広く使われている重油に比べると大気汚染も、二酸化炭素の排出は少ないとはいえ、規制がもっと厳しくなると対応が難しくなる

今日海外情報として入ってきた、燃料電池と蓄電池の組み合わせで大型船舶の動力にする方式は、水素を燃料とするので少なくとも船から出る排ガスには水蒸気しかなく、環境を悪化させることはない。ただ、これも水素供給設備の設置が港毎に進展しないといけないし、水素供給をどこに依存するかが問題となる。また、水素の製造に使われる原料が化石燃料であれば、温暖化を促進する方向になることは否定できない。だが、燃料電池を大型船舶の動力源になる位に開発が進んできたというのは嬉しいことだ。洋上風力発電の電力で水を電気分解する設備が各港に整備されれば、案外LNGよりも普及は早いかも知れない。水素社会の到来だと言える。